「Ray-Ban House(レイバンハウス)」が、ソーホーにオープンした。単なる店舗ではなく、店舗そのものがカルチャーへと溶け合い、「見る」「身につける」「聴く」「集う」といった境界が曖昧になっていく場所となっている。ブランドのクリエイティブチームによって構想された本プロジェクトは、住まいであり、ステージであり、オブジェやアイデアが共存する“生きたアーカイブ”としての都市的インテリアとして具現化されている。ニューヨークに根ざしながらも、明確な定義に縛られないこの空間は、通りと訪れる人々、その両方に属する存在だ。
2階建てのタウンハウス

プリンスストリートとラファイエットストリートの角に佇む2階建てのタウンハウスは、流動的な存在へと変貌を遂げる。日中は、緩やかに反射を生む建築が都市を映し出し、曲面のメタルが行き交う光の断片を捉える。夜になると、空間は内側と外側へと柔らかな輝きを放ち、静かなシグナル、灯台のような存在へと変わる。
屋内では、サテンのような質感のメタル、ミラー天井、深い赤のフロア。すべてが連続し、どこかシネマティックな空気を漂わせる。アイウェアはレコードや書籍、収集されたオブジェと並置され、「展示」ではなく「配置」され、「販売」ではなく「文脈の中に置かれる」存在として扱われる。

空間の動き
この空間は、ニューヨークのように動き続ける。オープンで、レイヤーがあり、わずかに予測不能。その中心にあるキッチンもまた同じ物語の一部だ。シェフのパスクァーレ・コッツォリーノの指揮のもと、フード体験は空間と同様に多層的なカルチャーを反映する。単一の料理ジャンルに定義されるのではなく、それらを横断する“動き”によって形づくられている。
日本のミルクブレッドを用いたサンドはアメリカ的感性で再解釈され、生の素材を活かした料理やカルパッチョ、シェアを前提としたスモールプレートと共に提供される。
一日のリズムも都市と呼応する。昼間は抹茶やコールドプレスジュースを中心に、軽やかで研ぎ澄まされたひとときと静かな余白を提供。時間の経過とともに、よりレイヤードで社交的な空気へと移ろう。体験は途切れることなく連続し、区切られるのではなく進化し続ける。すべては固定されず、重なり合っていく。

