はたらく情報メディア『スタジオパーソル』が運営するYouTubeでは、仕事終わりの晩酌まで1日密着し、はたらく本音を深掘りする番組をお届けしています。
今回密着したのは、俳優の斉藤慶太(以下、慶太)さん。テレビドラマ『キッズ・ウォー~ざけんなよ~』シリーズや情報バラエティ番組『王様のブランチ』のレギュラーとして活躍したのち、現在は内装職人として独立し、日々現場に立ちつづけています。
テレビ出演の仕事が少なくなっていった過去、複数の仕事を転々とした日々、そして“元芸能人という呪縛”から解放された転機について語っていただいた今回のインタビュー。慶太さんが歩んできた道のりには、はたらくことに迷うすべての人へのヒントがつまっていました。
※本記事はYouTube『スタジオパーソル』の動画を一部抜粋・編集してお届けします
内装職人・斉藤慶太さんの現在地

慶太さんの現在の職は、壁紙(クロス)の張り替えや床材の施工など、室内の内装全般です。3年間の修業を積み、独立して約5年。段取りから施工まですべてを1人でこなしており、ときには、子どもたちが寝静まった深夜に自宅で黙々とクロスの糊付けをすることもあるといいます。
施工中、慶太さんが最も神経を研ぎ澄ませるのが下地処理(パテ埋め)の工程です。

「古い壁紙を剥がしたあとにできる下地の隙間や、1ミリ以下のごくわずかな段差をパテで埋めて、いかに平らにできるかが仕上がりに影響するんです。ヘラを立てる角度、寝かせる角度、押しあてる力加減によっても変わってくる。ここをていねいにやらないとクロスもきれいに貼れません。本当に難しい作業です」
細かな工程を一つひとつ積み上げ、作業が完了した部屋を見渡したとき、慶太さんの表情はほっとほぐれます。
「壁紙が真っ白になると、本当に気持ちいいですよね。でも、そこに至るまでの『地道な準備』がすべてを決めます。結局、仕上がりがすべてですから」
その言葉には、職人としての確かな誇りが宿っています。
「最近テレビ出てないじゃん」空白のスケジュールと向き合えなかった日々

慶太さんが芸能界へ入ったのは、双子の兄・祥太さんがテレビドラマ『キッズ・ウォー』のオーディションに合格したことがきっかけでした。慶太さんはその日、部活動の試合を優先して会場へは行きませんでした。
ドラマが社会現象となり、街を歩けば双子とは知らない周囲の人から、兄の役名である「翼くん」と声をかけられる日々。複雑な気持ちもありましたが、シリーズ第4作で制作人から「慶太くんもどう?」と声がかかり、双子での出演が実現しました。そこから“双子タレント”として注目を集め、情報バラエティ番組『王様のブランチ』のレギュラーを務めるなど、20代前半まで多忙な日々を極めます。
しかし、『王様のブランチ』のレギュラーを卒業してからは、徐々に仕事は減っていったと言います。連続ドラマに出演していたころの忙しさが嘘のように、スケジュールに空白が増えていく。その変化は、本人が一番肌で感じていました。
「仕事がなくて家でだらだらすごしている時間が本当にもったいなくて。でも、どう頑張っていいかも分からない。次の仕事を待ちながら、何もできずに1日が終わっていく感覚が、ずっと嫌でした」
周囲からの「最近テレビ出てないじゃん」という言葉にも傷ついたという慶太さん。当時の心境をこう振り返ります。
「正直、調子に乗っていました。台本を覚えないまま現場に行ったり、遅刻したり。毎日の仕事をただ“こなす”だけになっていた。仕事が減っていったのは、運が悪かったわけじゃない。自分自身の問題だったんです」


