「高額」「即日即金」「ホワイト案件」——SNSやXにあふれるこうした言葉が、いま10代の子どもたちを凶悪犯罪へと引き込んでいる。
栃木県上三川町の強盗殺人事件で逮捕された16歳少年4人も、こうした闇バイトの勧誘を経て実行役に仕立て上げられたとみられている。警察庁と司法統計は、SNS経由で犯罪に加担した少年の急増を明確に示している。「うちの子に限って」は通用しない時代が、すでに始まっている。
「ホワイト案件」とは犯罪実行者の募集だった——手口の全容
こども家庭庁は公式サイトで、「SNS上の『短時間で高収入』『即日即金』『ホワイト案件』などの言葉に、絶対にだまされないでください」と明記し、警察庁・文部科学省と共同で啓発資料を学校に配布。また、警察庁も「楽で、簡単、高収入」を強調する求人は犯罪に関わる危険性が大きいと公式に警告している状況だ。
社会部記者が言う。
「『闇バイト』に関する勧誘の流れは定型化されている。まずXやインスタグラムで『簡単な仕事、高収入』という投稿や個人へのDMで接触。応募すると『ここから先はSignalかTelegramで』と匿名性の高いアプリに誘導される。その時点で身分証の写真を要求され、一度送ってしまうと個人情報を人質に取られ、断ることができなくなるのです」
警察庁の公開資料「闇バイト 少年を『使い捨て』にする現実」の資料には、この手口で闇バイトの罠にかかった少年の供述が載っている。
「検挙された少年は、『仕事を断ろうとしたら“自宅に押しかける。母親から狙う”と脅された。警察に密告されたと思われたら家族が危ないと言われ、仕方なくやり続けた』という。
ただ警察庁は、この資料で『犯行グループは約束の報酬を元から支払うつもりはなく、少年を都合よく利用した後、簡単に"捨て駒"として切り捨てる』。と指摘。甘言で近づき、個人情報で縛り、脅迫で逃げ道を塞ぐ——これが闇バイト勧誘の三段階の罠だと警告しているのです」(同)
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SNS経由の闇バイト応募が約47%――誰でも「リクルート対象」になる時代
東京都「特殊詐欺加害防止特設サイト」が引用する警察庁データによれば、2023年1月から7月に闇バイトで逮捕された人のうち、SNS経由の応募が約47%、知人からの紹介が約28%を占めた。
つまり逮捕者の4人に2人近くが、SNSで全く知らない犯罪者から接触され実行役になっていた計算なのだ。
加えて警視庁の統計によれば、令和7年(2025年)の都内少年犯罪のうち、SNSが関連する強盗・詐欺での少年検挙は依然として高い水準で推移している。「刑法犯少年の検挙・補導人員は令和4年から増加傾向に転じた」という事実は、長年続いた少年犯罪の減少トレンドが逆転したことを示していると言えるのだ。
