2025年度の速報値では、都内の被害は2件のみ
2025年度の速報値では、都内の被害は2件のみで死者は出ていない。目撃情報も西部の豊かな自然が残る山間部に集中しており、新宿や渋谷といった23区内でクマが出没したという記録は一切存在しない。
なので必要以上に怯えることはないが、被害がゼロではないという事実から目を背けてはならない。過去には、奥多摩町で沢登りをしていた男性がクマと接触して斜面から転落して怪我をしたり、ワサビ田で農作業中の男性が背後から突然襲われ、指を失うという痛ましい事故も実際に記録されている。
万が一、山でクマと鉢合わせたらどう行動すればよいのか。絶対にやってはいけないのは、背を向けて走って逃げることである。
ツキノワグマは時速40キロメートルほどの猛スピードで走ることができる。木登りも泳ぎも人間よりはるかに得意だ。人間が自らの足で逃げ切れる相手では決してない。
もしクマが襲いかかってきたら、行政機関も推奨する明確な防御姿勢をとる必要がある。うつ伏せになって地面に倒れ込むのだ。そして両手を組んで首の後ろをしっかりと覆い、両肘で顔の側面をガードする。急所である頭部や顔面、首を守るためだ。
最も重要で確実な対策は「最初からクマに出会わないこと」
地面に伏せた状態で何があっても抵抗せず、嵐が過ぎ去るのをじっと待つ。クマは人間を食べるために襲ってくるわけではない。
突然の遭遇に驚き、自分自身や連れている子グマを守るために、目の前の脅威を排除しようと必死に攻撃してくるのである。
したがって、人間側が完全に無抵抗な姿勢を示し、もはや脅威ではないとクマが判断すれば、自然と立ち去っていく可能性が高い。命を守るための最終手段として覚えておくべき知識である。
最も重要で確実な対策は「最初からクマに出会わないこと」に尽きる。山へ入る際は、鈴やラジオなどを携帯して音を鳴らし、人間の存在を遠くからクマに知らせる。
早朝や夕方の時間帯や、単独での山歩きは避ける。食べ物の匂いを周囲に漂わせない。基本的なルールを守ることが、人間とクマの双方の命を救う。
大自然は人間のためだけに存在するのではない。野生動物には独自の論理があり、侵してはならない生活圏がある。我々人間が自然の領域に足を踏み入れる時、そこはすでに野生動物の庭であるという謙虚な視点を持つべきだ。

