「自分が支えなければ」――抱え込む家族ほど限界に追い込まれる
障がいのある家族を支える人のなかには、「自分がやらなければ」と責任を一人で抱え込み、限界まで頑張ってしまう人が少なくない。長年の不安や責任感から、他者に頼ることに罪悪感を覚える場合もある。
現場ではまず、その思いを否定せずに受け止めることが大切にされている。そのうえで、「家族だけで抱えなくていい」「一緒に支える体制がある」というメッセージを丁寧に伝えていく。実際、支援につながった後に「初めて安心して眠れた」と話す家族もいる。
鍵は”生活の主導権を本人に戻す”こと
近年の障がい者支援で重視されているのが、”生活の主導権を本人に戻す”という考え方だ。
「親が決めてあげないと生活できない」と考えていた家族も、本人が自分で選び、失敗し、また挑戦する姿を見ることで、少しずつ「任せる安心」へと意識が変わっていく。買い物や通院を自分でこなせるようになり、「こんなにできるとは思わなかった」と本人の力に驚く家族も多い。
過度に手をかけることが愛情だと思われがちな場面でも、必要なのは”支えすぎない勇気”だと浦田氏は語る。本人の選択を尊重することが、自立だけでなく、親子関係をより穏やかで対等なものへと変えていく。

