“親亡き後問題”に必要なのは、家族に代わる「長期的な伴走者」
“親亡き後問題”の難しさは、親の高齢化が進む一方で、支援につながるタイミングが遅れ、地域とのつながりの弱さから生活困難が長期化しやすい点にある。
この問題に対しては、住まい・生活・就労・地域交流を一体で支える仕組みを整え、家族に代わる”長期的な伴走者”として関わる視点が必要だ。行政との連携や、医療・企業・地域団体を巻き込んだ横断的なネットワークなど、”社会全体で支える”発想が求められている。
過度なサービスを提供するのではなく、必要な社会資源や機会を適切につなぎ、本人が地域で役割を持ち、社会参加できる環境を整える――そうした地道な積み重ねが、現場には求められている。
「問題が深刻化してから慌てるのではなく、親が元気なうちから”地域でどう暮らしていくか”を一緒に考えることが、将来の安心につながる」と浦田氏は語る。
「一人で抱えなくていい」
最後に、今、不安や限界を感じている家族に向けて、浦田氏はこう語った。
「一人で抱えなくていい、ということを伝えたいです。支える役割を少し手放すことは、諦めではありません。本人の自立を後押しし、家族関係を穏やかにし、将来への備えを始めるための一歩です」
家族だけで抱え込まない選択肢を、もっと早い段階から持つこと。それが、これからの地域福祉に欠かせない視点になりつつある。

【取材協力】
株式会社リビングサポート研究所
代表取締役 浦田 義隆
https://living-support-inc.com/

