残業中に届いた、ふいの質問
金曜の夜、僕は会社に1人残って残業をしていました。スマホが鳴り見ると、彼女からのメッセージ。「ねえ、私のことどのくらい好き?」とだけ書かれています。
軽く流せばよかったのかもしれません。でも僕は、彼女が普段から「適当に答えるな」と言うタイプの人だと知っていたから、真剣に答えたいと思いました。一旦キーボードから手を離し、頭の中で素早く計算しました。365日のうち、自分が彼女と過ごしたい時間。仕事に注ぐ時間。自分一人でいたい時間。
数分考えて、「えっと……73.4%、かな」と返信しました。
「100%じゃないの?」と返ってきた言葉
返信が届いたのはすぐでした。「は?なんで100%じゃないの?」。僕は説明しようと「そういう計算じゃないんだって」と返したのですが、それも逆効果だったようです。
「じゃあ何?残り26.6%は誰のことが好きなの?」と続けて聞かれたとき、僕は何も打てませんでした。誰のことでもなくて、自分自身を保つための時間と、仕事のことを指していたのです。でも文字でうまく説明できる気がしませんでした。
しばらく入力欄に文章を書いては消していたら、彼女から「もういい」とメッセージが届きました。返信のしようがないまま、その夜は仕事も手につかないまま終わりました。
