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「ずずずず」と啜り「どぅるん」を味わう、空気階段・鈴木もぐらの偏愛と哲学に満ちた究極の卵かけご飯作法

「ずずずず」と啜り「どぅるん」を味わう、空気階段・鈴木もぐらの偏愛と哲学に満ちた究極の卵かけご飯作法

空気階段・鈴木もぐらにとって、卵かけご飯を食べることは、五感を研ぎ澄ませる一つの儀式である。彼は「ずずずず」とかきこむ啜り心地と、「どぅるん」とした白身の食感を何よりも重んじている。米の量や温度へのこだわり、「溶き」と「混ぜ」を明確に分ける工程には、長年の経験から導き出された独自の哲学が宿る。

 

鈴木もぐらの書籍『没頭飯』より一部を抜粋・再構成し、卵かけご飯に対して並々ならぬ情熱を傾ける彼の食の作法に迫る。

「ずずずず」と「どぅるん」が卵かけご飯の醍醐味である

起きたらまずタバコを吸います。そのあと朝飯を食います。私は起きる時間が遅いので、すでに朝じゃないときも多いんですが、もっとも確率が高い朝飯は卵かけご飯です。私の卵かけご飯の食べ方をご紹介します。
 
茶碗に8割くらいの米を盛る。もし炊きたての米だったらちょっと減らして7割ぐらいにする。その米の真ん中に、ちょっとした穴を掘る。その穴に卵を落とす。

卵を割ると、黄身に引っかかってる白いヒモみたいなやつがありますよね。そのヒモは必ず取り除きます。

小学校3年のとき、ばあちゃんに「白身と黄身はただの栄養だけど、この白いヒモがひよこになるんだ。だから私はこれを全部取ってからじゃないと卵は食えない」って言われた日から、私もヒモを取らないと生卵が食えない身体になってしまいました。

ひよこを生で食ってるみたいに感じちゃって。あのヒモは魚でいったら骨ですね。卵の骨です。
 
ヒモをとったら、「溶き」の工程に入ります。米の真ん中の穴に入っている卵を溶く。溶かずに醤油をたらすと、醤油が卵にはじかれて流れて米に吸われちゃう。味のダマができやすい。味の濃さもよくわからなくなる。だからまず卵を溶く。そしたら醤油をピーッと1秒垂らしてまた溶く。最後に味の素を10フリしてまた溶く。卵割って溶く。醤油かけて溶く。味の素かけて溶く。これを経て、そっから「混ぜ」の工程に移ります。

茶碗の端から真ん中の溶いた卵の穴に向かって米が吸い込まれるように混ぜていく。茶碗の下からも米を掬いあげて穴に入れていく感じ。最終的には卵を米全体にいきわたらせます。茶碗の中は白い世界から完全に黄色い世界に変わっています。

米の量を8割にしたのは、米と卵を全部混ぜたとき、米の表面に卵の汁気がしっかりある状態にしたいからです。そうじゃないとかきこみにくいからです。卵かけご飯はやっぱり、ずずずず! っと食いたいんで。炊きたての米は熱すぎて、卵を混ぜるとちょっとした卵焼きみたいなのができちゃうんですよね。ほくほくの米になっちゃう。そうなったらずずずずってかきこめないんで、炊きたての場合は米をさらに少なくして7割にするという具合です。

卵かけご飯の醍醐味のひとつめはこの、ずずずず。いま説明してきた工程を丁寧に積み重ねて積み重ねて、そのあと、ずずずず! っとかきこむ最初の一口はたまんないですよ。

牛丼も卵かけご飯

私にとっては牛丼も卵かけご飯のひとつです。

高級卵かけご飯。卵かけご飯の牛トッピングですね。ただ、牛丼を食べるときはまた別のひと手間をかける必要があります。やってみましょう。

大盛り牛丼のつゆだくと生卵を注文する。上にのってる肉をどんぶりの半分に寄せる。上から見たら、半分肉、半分米。カレーライスみたいにする。その米の部分の中心に、さきほど説明したように穴を掘る。そこに卵を落とす。

ここでつゆだくが生きてくる。牛丼は米の量が多いから、卵の汁気だけじゃ米に勝てない。そこで牛丼のつゆの力を借りる。牛丼のつゆは普段の卵かけご飯の醤油とか味の素の役割もしてくれるから、そこからなにもかけなくていい。

穴の中で卵を溶いたら、穴に米が吸い込まれるように混ぜていく。そうすると、半分卵かけごはん、半分肉がのったごはんという状態になる。そこから肉の下の米を卵かけご飯の下に挿入させていく。肉は上に置いたまま、下の米を卵かけご飯にしていく。

最終的に上から見たら、どんぶりの半分に肉が寄せられてる。空いてる部分は卵かけご飯になってる。さらにその肉の下の部分も卵かけご飯になってる。これで完成です。

そっから、肉だけをまず口に入れて、肉の脂とうまみを口の中に行き渡らせたあと……ひゅうううううう! っとかきこみます。

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