検問で飲酒疑惑、DV記憶が蘇る被害も
これは極端な例だったとしても、Aさんの迷惑エピソードは他にもある。
「仕事帰りに検問があったんです。私が車の窓を開けると、おまわりさんは車内を覗き込みながら『お酒飲んでます?』と聞いてきました。ずっとAさんの隣で作業していたせいで洋服にアルコール臭が移ったみたいなんですよ。
アルコールチェッカーで調べられて飲酒疑惑は晴れましたけど、これで時間をくってしまったせいで子どもの保育園のお迎えに間に合いませんでした」(20代・主婦)
「私は父が酒乱気味で、幼い頃からDVを受けていました。その父が亡くなり、20年間お酒とは無縁で暮らしていたのに、Aさんの臭いを嗅ぐと、過去のDV被害がフラッシュバックして苦しくなるんです。かといって、ここで働くのを諦めたくないので、就労する時はAさんの不在を確かめてからにしています」(30代・フリーター)
チェッカーに引っかからない謎の体質
Aさんが就労するようになってから、事務所にはアルコールチェッカーが常備され、出勤すると全員が必ずチェックを受けることになっているそうだが、なぜかAさんは引っ掛からないという。
「チェッカーが壊れているのかと新品に取り換えましたが、結果は同じでした。何かコツがあるのか、特異体質なのか」(Kさん)
「アルコール反応が出れば堂々と拒絶できるのに…」
複雑そうにつぶやくKさんだった。
取材・文/清水芽々
【関連】【身内毒】1カ月風呂なし、室内にペットボトル排泄…義弟の引きこもりが招いた「悪臭地獄」の実態
清水芽々(しみず・めめ)
1965年生まれ。埼玉県出身。埼玉大学卒。17歳の時に「女子高生ライター」として執筆活動を始める。現在は「ノンフィクションライター」として、主に男女関係や家族間のトラブル、女性が抱える闇、高齢者問題などと向き合っている。『壮絶ルポ 狙われるシングルマザー』(週刊文春に掲載)など、多くのメディアに寄稿。著書に『有名進学塾もない片田舎で子どもを東大生に育てた母親のシンプルな日常』など。一男三女の母。
