危険すぎる新型AIが登場し、世界を震撼させている。米スタートアップ企業のアンソロピック社が開発した神話の名を冠するAI『クロード・ミュトス(神話)』は、システムやソフトウエアの弱点を見つける能力がこれまでの常識を覆すレベルに達しており、サイバー攻撃に悪用されれば、インフラが破壊され、人々の暮らしや生命、財産を脅かす危機に直面すると見られているからだ。
企業価値はトヨタを超える60兆円
米アンソロピック社は2021年、チャットGPTを開発したオープンAIの研究担当副社長のダリオ・アモデイ氏ら元メンバー数人が設立。'23年にはクロード・ミュトスに繋がる「クロード」シリーズ第1弾の「クロード1」を発売。同年、アマゾン、グーグルが出資。'25年にはマイクロソフトとエヌビディアがアンソロピック社への投資を前提とした提携契約を締結した。
同年、中国政府の支援を受けたとされるハッカーがクロードを使ってサイバー攻撃を仕掛けるという事案が発生したことが明らかになった。
今年に入ってからは、米国防総省のベネズエラ軍事作戦やイランへの軍事攻撃でクロードを使用したとの報道があり、アンソロピック社は米国防総省によるクロードの軍事利用を拒否する姿勢を示していた。
アンソロピック社は非上場だが、企業価値(時価総額)は日本企業初の売上高50兆円を突破したトヨタを超える60兆円に達する。
27年前の脆弱性を数時間で発見する能力
こうした注目企業が4月に発表したのが、新型AI『クロード・ミュトス』だった。システムやソフトウエアの脆弱性を見つける能力が飛躍的に高まっており、ハッカーの手に渡ってサイバー攻撃が行われれば、金融、電力、通信、交通、物流、医療などの重要インフラが大きな打撃を受けるリスクがある。
ミュトスは、基本ソフトウエア「オープンBSD」で約27年間にわたり誰も気付かなかった穴をわずか数時間で発見する能力を備えていたのだ。
アンソロピック社はこうしたミュトスの危険性を踏まえて、一般公開はせず、提供先をアップルやアマゾン、エヌビディアなど約50の団体・組織に絞ったが、「AIの怪物」の出現による波紋は広がり続けている。
「トランプ米政権では、中国との開発競争があることからAI規制に後ろ向きだったが、方針を転換し、AIを公開する前に事前審査を行うなどの規制に乗り出す方向で検討を始めています」(危機管理専門家)
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