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健康なのに「貸せない」と言われる60代女性…施設にはまだ早い彼女たちが辿り着いた「多文化・多世代」のシェアハウスのリアル

健康なのに「貸せない」と言われる60代女性…施設にはまだ早い彼女たちが辿り着いた「多文化・多世代」のシェアハウスのリアル

外国人と暮らすという選択

2021年、大阪市住吉区に高齢単身女性と外国人がともに暮らすシェアハウス、コモンフルールがオープンした。

老朽化した築60年の木造2階建てのいわゆる「文化住宅」を改修したそのハウスは、1階に高齢単身女性の居室が3室と共有のリビング、風呂とトイレが2か所、2階に外国人女性向けの部屋が6室、リビングとシャワーブース、トイレがそれぞれ2か所設置されている。

株式会社コモンパークス代表の松尾重信氏は、この事業に着手した経緯について「物件の利活用について検討する際、更地にして駐車場にするとか、新しく建て替えるとか検討したんですが、今あるものを活かして、市場で住宅が借りにくい人を入れてあげられないかなと思ったのが始まりでした」と語った。

緩やかに助け合えるシェアハウスであれば、高齢の入居者に何かがあっても対応しやすく、リスクヘッジができると考えたのだ。

家賃は、高齢女性が4万8000〜4万9000円、共益費1万3000円、外国人女性が3万3000〜3万5000円、共益費1万3000円、このほか敷金として賃料の1か月分が求められる。

共益費には、インターネット、水道光熱費やそれ以外に共用部で使うトイレットペーパーや洗剤などの消耗品費が含まれている。

住宅のデザインやシェアハウスの運営については、地元の建築系の大学を訪ね、研究者や専門家との議論を重ねた。

その流れの中で、国土交通省の住まい環境整備モデル事業の補助金に応募、2019年に採択された。近年、資材が急騰しており、補助金がなければ、低家賃住宅の実現は難しかったという。

当初は介護職に就く外国人女性の入居を想定していたが、今は留学生や、一時滞在者など、資格を問うことはしていない。国籍は、インドネシア、ベトナム、韓国、台湾、中国、メキシコ、フィンランド、ミャンマーと幅広く、一度本国へ帰国した後、住み心地の良さからか、またハウスに戻りたいとメッセージをもらうこともある。

些細な問題はあれど、居心地はいい

20代のベトナム人女性に話を聞いた。

8年前に来日し、日本語学校を経て日本の大学を卒業、現在、ベトナム語を教えたり、通訳の仕事をしたりしながら、大学院への進学を目指している。大学卒業を機に来阪し、住宅を探したが、外国籍ということもあり、よい物件が見つからなかった。

市内にある外国人向けのシェアハウスも見学に行ったが、古く、不衛生で低質なものが多く、入居を決めあぐねていたところ、コモンフルールの情報にたどり着いた。

入居した当時は在宅時間が長く、入居者同士で語らうこともあったが、今は受験勉強やバイトなどで家を空けることが増え、週に1、2回入居者と顔を合わせる程度だという。

電話で話す声がうるさいなど些細な問題はあるが、概ね住み心地がよく、「一人で住むよりシェアハウスの方が良かった」と満足そうに笑っていた。

一方、高齢女性については、60代のアクティブシニアがほとんどで、離婚や配偶者との死別、子どもの独立などを機に入居を決めるケースが多い。

70代以上の女性のニーズもあるが、後期高齢者になると、サ高住や施設など別の選択肢があることや、情報へのアクセスが難しいなどの理由からか、問い合わせは多くない。

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