高校の校外活動で尊い高校生の命が失われる事故が相次いでいる。
3月に沖縄県名護市辺野古沖で小型船が転覆し同志社国際高校(京都)の女子生徒が死亡、5月には福島県郡山市の磐越自動車道でマイクロバスが衝突事故を起こし、私立・北越高校(新潟)の男子生徒が死亡した。
事態を重くみた文部科学省は、対策推進本部を設置するとともに、教育現場での杜撰な安全管理体制に関する規制強化策に乗り出した――。
波浪注意報の中、引率教員は乗船せず
沖縄県名護市辺野古沖での小型船転覆事故は、3月16日午前10時すぎ、同志社国際高校の修学旅行中の「平和学習」の一環で海上から基地の移設工事を見学していた際に起きた。
同校の生徒18名は、乗組員3名とともに、市民団体「ヘリ基地反対協議会」が運航する小型船『平和丸』と『不屈』に分乗しており、最初に不屈、約2分後に平和丸が転覆した。
全員が海に投げ出され、平和丸に乗っていた2年生の武石知華さん(17)と、不屈の船長の金井創さん(71)が死亡、14人が指の骨折や打撲などのけがを負った。小型船転覆事故の当日、名護市沿岸には波浪注意報が出ていた。
2隻は、米軍普天間飛行場の辺野古移設に対する抗議活動に使われていた小型船で、繰り返し客を運送する場合に必要な海上運送法の「一般不定期航路事業」の登録をしていなかった。
出航の判断などを定める安全管理規程も明文化されていなかった。ヘリ基地反対協議会は、「ボランティアだったので登録していなかった」と説明している。
驚くべきことに、2隻ともに引率の教員が乗船していなかった。引率の教員は2人いたが、1人は体調不良と乗り物酔いを理由に乗船せず、もう1人は別のグループが陸にいたため乗船しなかった。
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学校側の安全管理体制の問題が浮上
ヘリ基地反対協議会が運航していることをきちんと把握していないなど、学校側の安全管理体制に問題が浮上。校長は記者会見で、波浪注意報の中、出航したことについて、「船長が大丈夫ということで覆す判断に至らなかった。認識、判断に甘さがあった」との見解を示した。
同志社国際高校を運営する学校法人同志社は第三者委員会を設置し、乗船プログラムが始まった詳細な経緯や学校側の対応の問題について調査を進めている。
第11管区海上保安本部は、安全管理体制や出航の判断に問題がなかったかなど、業務上過失往来危険、業務上過失致死傷、海上運送法違反の疑いを視野に入れ、ヘリ基地反対協議会への家宅捜索に踏み切った。
文科省は4月7日、全国の自治体に対し、校外活動の安全確保を徹底するよう求める通知を発出。同24日には、学校法人同志社に幹部を派遣し、学校側の安全管理状況などの調査を実施した。京都府も学校の危機管理マニュアルに不備があるとして、マニュアルを見直して再発防止策を策定するまで校外活動を自粛するよう要請した。
