軽快だけど贅沢なお茶会のノリ
真堂 ところで、こんなにまとまりのない対談で大丈夫なんでしょうか。
須賀 この本のコンセプトが、方向性皆無でいい、ということですから、大丈夫でしょう。
真堂 初めてのエッセイ本ということですが、読んでいて須賀さんの身振り手振りや声の調子が感じられて本当に面白かったです。シャープだけど、照れがあるのが須賀さんらしいなって。絶妙な照れがエンタメ要素になっていて、読んでいてすごく心地いい。
須賀 自分じゃちょっと正視できないんですけどね。常識外れだった昔のあとがきのノリで書いたから、ああすいませんって……(笑)。
真堂 私も、書きたいものを書いているだけという感覚は、昔と変わりません。
須賀 でも、みんなずっとそうですよ。きっと変わらないよね、あの時代から書いている人たちは。多少ジャンルが変わっても、スタイルは変わらない。
真堂 私、須賀さんの『また、桜の国で』を読んだとき、クライマックスに近づいていくと、やっぱりこのドキドキ感はコバルト作品と変わらないものがあるなと思いました。
須賀 そうかも……。一般文芸を書いているときは、コバルトとは書き方を変えるんですけど、クライマックスになるとコバルト時代のパターンが混じってくるんです。そうすることで本来の自分が出てきて、テンション上がると文章に血肉が通って読者も乗ってくれるというか、そういうのはありますね。
真堂 やっぱり血のたぎりみたいな、そういうのは変わらないのですね。
須賀 うまく、真面目な話で締める感じになりましたね。今日はありがとうございました。
真堂 皆さん、こんな感じの軽快だけど贅沢なエッセイ本です。おしゃべりに加わる感じで、お茶会のノリでお楽しみください。
須賀のスガスガしくない話
須賀 しのぶ
2026/4/241,760円(税込)192ページISBN: 978-4087817751少女小説から一般文芸書まで走り続けた著者初の雑談エッセイ。
コバルト名物“あとがき”のノリで書きました。
(もちろん、あとがきの時よりちゃんと理性は残っている……と思います。たぶん。〈第3回 巻末の胃痛 より〉)
テーマはゲーテ、高校野球、推し活、埼玉etc. まさに方向性皆無、須賀節さく裂! でも読み味はやさしい。
コバルト文庫創刊50周年に贈る、元気が出る全17話。
【目次】
第1回 もっと光を
第2回 夏といえばアレ
第3回 巻末の胃痛
第4回 健康促進推し活
第5回 セミファイナル王妃
第6回 秋の夜長はホラー風味
第7回 せんべいと草を食う民
第8回 ただ音楽であれ
第9回 けむたい昭和
第10回 ド平原の国
第11回 ド平原の国 2
第12回 病膏肓に入るオタク
第13回 脱ゾンビ計画
第14回 骨ストの夏
第15回 カルメンがくわえているのは薔薇じゃない
第16回 球春、センバツ。
第17回 「少女はいつまでも」
特別寄稿 漫画 私が見た須賀さん by梶原にき
あとがきにかえて

