打ち上げ花火では終わらせない――出渕裕が語る『EZY』のこれから
――先ほど『REBOOT』についてお話させていただきましたが、『アーリーデイズ』から『パトレイバー』を追いかけてきたファンとしては、『アーリーデイズ』から劇場版が作られて、テレビシリーズが放送されて、1993年に『機動警察パトレイバー2 the Movie』が公開されたことで、『パトレイバー』は一区切りを迎えたように感じていました。それだけに『REBOOT』が作られたことは嬉しく思いましたが、あらためて、今、メンバーを入れ替えてもう一度『パトレイバー』を作ろうと思われたのは、どんなきっかけからだったのでしょうか?
出渕:みんな「やりたい」って言うから(笑)。いや、おっしゃるように、僕は「パト2で本筋は終わってるじゃん」って思っていたんですよ、『パトレイバー』って。「基本的に実際の時代と並走している、常に近未来――10年後くらいを描いている作品」ということで2030年代を描くとなると、昔の特車二課のメンバーたちがまだあそこの埋立地に残っているということは、あり得ないんですよ。定年もそうですし、移動だってリアルに考えればありますし、それにあの人たちの気質だったらとっくに警察辞めているんじゃないか、とか。だったら新しいメンバーでやるしかないだろう、と。
――先ほどのお話につながる部分ですね。一方で『EZY』 を作ったことで、新しいメンバーでまだまだ『パトレイバー』を作っていけそうですね。
出渕:そうですね、作れると思いますし、作りたいですよね。せっかく、再始動して8本で終わっちゃうのはちょっと、ね。「やるぞ!」って打ち上げ花火をあげて、一発で終わって、あとは線香花火みたいにしゅんっと終わっちゃうのは良くないと思うんですよ。
――『アーリーデイズ』を追いかけていた当時、6話までリリースされて、7話や劇場版に繋がって行きましたが、『EZY』も8話までの公開を経て、さらに大きくなってくれたら嬉しいです。
出渕:大きくしていきたいですね。ただ、劇場版の1作目や2作目みたいな作品は、作りにくくなってますね。重たくない映画なら作れるかもしれないけど……。劇場版の1作目や2作目、それに『WXIII』などを見てきたみなさんからすると「『パトレイバー』の映画はヘビーなもの」と考えちゃうと思いますが、今、あらためてああいった作品を作るのはなかなか難しいですね。とは言いつつ、もし突破口が見つかればやれるかもしれないですけど。
「心情として“正義の味方でありたい”だけ」――出渕裕が語る警察像
――『アーリーデイズ』の5話や6話、劇場版の1作目や2作目は公務員という枠組みを越えて、後藤さんが動いていたお話だと思いますが、『EZY』のキャラクターが自分たちは「正義の味方だ」という思想をもって、国家を揺るがすようなレベルの事件に相対する物語は作りづらいということでしょうか?
出渕:「作りづらい」というか、やると嘘っぽくなっちゃうというか。特車二課って警察ではあるけど捜査権はありませんしね。警察だけど事件に絡みにくいというか、何かしらの媒介があって絡んでいくしかなくて。あと、彼らの「正義の味方」っていうのは思想じゃないんです、あれは。心情として「正義の味方でありたい」というだけで。
