ツールは変わっても、人間は変わらない――『EZY』が描く“人間”の物語
——『EZY』ではレイバーにAIが搭載されていますが、AIに熟練者がアナログでレイバーを操作して勝利する展開も期待しています。
出渕:うーん、作劇的にはよくある作り方なんですけどね。一歩間違えると見ている人に「精神力で勝てる」という、誤った考え方を植えつけちゃうかなと。それに、作品としてはそれでもいいんですけど、どうしても嘘くさくなってしまう。なかなかそれが通用するような時代でもなくなってきていますよね。ただ、ツールが新しくなっても、人間そのものは基本的に変わらないと思うんですよ。考え方として変わってきている部分はあるのかもしれないけど、本質は変わらない。そんな人間ドラマを『パトレイバー』的な視点で見せていけるんじゃないかと。キャラクターのドラマをいろんな形で展開できるフォーマットとして『パトレイバー』という仕組みを機能させれば、まだまだ結構面白く作れるんじゃないでしょうか。今回の8話はそういう形で作っているつもりなので、これから続くとして、どういう形で続けられるのかと考えた時、個人的には1話完結のシリーズとして続けていくのがいいのかなと思います。
――1話完結のオムニバスアニメが少なくなってきた今、どんなジャンルのお話も内包できる『パトレイバー』のフォーマットは貴重ですね。
出渕:少なくなりましたね。『EZY』の公開を記念して実施された旧作を毎日配信する『毎日パトレイバー』でも初めて『パトレイバー』に触れてくれた若い人たちがたくさんコメントしてくれており、オムニバスならではの良さみたいなものが感じられました。当時からのファンの方々がコメントで解説をしながら「怖がらなくていいよ、僕たち怖いファンじゃないよ」といった感じで、若い方に接していたのはほほえましかったですね(笑)。
――『EZY』も『毎日パトレイバー』の時のようにみんなと一緒に見たい作品だと思いますので、配信などで世界中の人と一緒に見られる機会も楽しみにしております。本日はありがとうございました。
出渕:ありがとうございました。
『機動警察パトレイバー EZY』File 1は好評公開中
『機動警察パトレイバー EZY』File 2は8月14日(金)公開予定
© HEADGEAR / 機動警察パトレイバー EZY製作委員会
(執筆者:斎藤ゆうすけ/90年代のアニメとゲームを愛するライター。系放送作家&シナリオライターとしても活動。ゲームやアニメ、小説や漫画原作などシナリオの企画・制作も多数担当。専門学校でメディア論やシナリオ講座の講義も。https://x.com/saito_you)
