余裕がないままレジへ
必要なものだけをカゴに入れて、レジに並びました。レンジで温めるだけの惣菜と、息子の好きなおにぎり、それから保育園で頼まれていたおむつのパック。買うものを増やす余裕はありませんでした。
早く家に帰って夕飯の準備をして、お風呂に入れて、寝かしつけて。次のシフトまでに少しでも休まなければ、明日が回らない。そのことばかりが頭の中をぐるぐるしていました。横を見ると、息子はもうカゴの取っ手にぶら下がって眠そうにしていました。
そして...
レジを通り抜けて、駐車場まで歩く間、私は息子の小さな手を握っていました。「お利口にできたら、お家に帰ってアイス食べようね」そう言うと、息子は半分眠りながら、ふにゃりと笑いました。
家に帰って、惣菜を温めて、息子の口を拭いて、布団に転がして。一通りを終えてソファに座り込んだとき、ようやく自分の白衣の襟が汗で湿っていることに気づきました。
「親は何してるの」と聞こえた気がしたあの声に、もし答えるなら、こう言うのかもしれません。「親は、ここで、ぎりぎりやっています」と。
明日も日勤です。けれど今夜は、息子の寝顔を少しだけ長く見つめてから、自分も眠ろうと思いました。
(30代女性・看護師)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
