振られた腹いせだった
別れを切り出されたのは、つい昨日のことでした。納得したふりをして別れたものの、心のどこかではまだ整理がついていませんでした。そんなときに見たのが、付き合っていた頃には一度も行かなかったような、洗練されたカフェの写真です。
雰囲気からは、彼女が俺といた頃よりずっと満たされているのが伝わってきました。それを見た瞬間、なぜか落ち着かなくなり、俺は「おしゃれカフェ行っても浮くだけ笑」とメッセージを送りました。からかってやれば、振られた自分の惨めさを忘れられる気がしたのです。
本当に浮いていたのは
思えば付き合っていた頃、彼女はよくおしゃれなカフェに行きたいと誘ってきました。けれど俺はそのたびに、「こういう店、背伸びしてる感じで落ち着かないんだよ」と言って断っていたのです。本当は、洗練された店の雰囲気に自分がなじめなかっただけです。値段やマナーに気後れする情けなさを、彼女のせいにしてごまかしていたのだと思います。彼女の「好き」を否定すれば、自分の居心地の悪さから目をそらせる。そうやって俺は、いつも彼女を小さくしていました。振られた今になっても、その癖は抜けていなかったのです。
