誤送信したメッセージ
その後、友人とのやりとりと画面を取り違えました。本音をそのまま、相手に送ってしまったのです。
俺:「経営者って言えば食いつくから楽。今回もいけそうだわ」
送信した直後に、宛先の違いに気づきました。慌てて取り繕おうと、すぐに次のメッセージを打ちます。
俺:「ごめん、今のは友達への冗談。誤送信しちゃった」
冗談で済ませられると、そのときの俺はまだ思っていました。
そして...
相手:「そのメッセージ、私宛てじゃないですよね」
俺:「だから誤送信だって。気にしないで、会おうよ」
相手:「いえ、おかげではっきりしました。経営者だと食いつくと思われているみたいですが、私も自分で事業をやっているんです。だから、奢っていただく必要もありません」
長い言い訳を打ち込んで送りました。けれど返事は来ません。後で確かめると、俺はすでにブロックされていました。経営者を装って見下していた相手は、本物の事業主だったのです。格下だと思い込んでいたのは、ほかでもない俺自身でした。
同じ手口を、これまで何人もの相手に使ってきました。けれど一度の操作ミスで、その全部が安っぽく見えてしまったのです。経営者だと嘘をついて気持ちよくなっていた俺の中身こそ、一番空っぽでした。アプリを閉じても、最後に返ってきたあの言葉だけは、しばらく頭から離れませんでした。
(30代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
