柳楽優弥の“受け止める力”が探検家に命を吹き込んだ

──探検家役に柳楽優弥さんを起用した理由を教えてください。
「柳楽さんは圧倒的な存在感を持ちながら、人や世界をまっすぐに受け止める力を持っています。今回の探検家は、自分と異なる価値観を仰々しく評価するのではなく、素直に受け止めておもしろがる人物。自分の価値観を押しつけず、相手を肯定する人間味を表現できる方としてぴったりでした」
──実際の撮影はいかがでしたか?
「探検家というキャラクターに、想像以上の形で命を吹き込んでいただきました。柳楽さんはカメラが回っているときも回っていないときも、ほとんどテンションが変わらないんです。『船出篇』は小さなボートに一日中乗って波に揺られながらの撮影で、気分が悪くなってもおかしくない環境だったのですが、監督と楽しそうに話しながら、満面の笑みで撮影に臨んでいました。撮影が進むほど、探検家という役に魂が入っていくような感覚がありました」
現実の先にあるワクワクする世界

──「船出篇」は実際に海上で撮影されたそうですね。海のシーンをCGやスタジオで撮影する方法もあったと思いますが。
「本当に大変でした(笑)。もちろん、CGにするか、実際の海で撮るかという議論はありました。それでも実景を選んだ理由のひとつは、リアリティです。もうひとつは、監督が『実際の海のほうが美しい映像を撮れる』と考えていたことです。ただし、荒天なら撮影ができないので、予備として大きなスタジオも押さえていました。結果的には天候に恵まれ、スタジオは使わずに済みました。予算だけはかかってしまいましたが(笑)」
──映像表現や音楽でこだわった点は?
「現実と地続きでありながら、日常を少しだけ飛び越えるようなワクワクする世界観を意識しました。音楽も、これまでのJTの落ち着いた楽曲とは異なり、自然と気持ちが前向きになるテンポ感にしています。『自分も世界を見に行ってみようかな』と思えるような、冒険への高揚感を表現しました」

