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「サッカーを辞めたら何が残る?」現役女子選手が2トンの廃棄食材と挑むキャリア

「サッカーを辞めたら何が残る?」現役女子選手が2トンの廃棄食材と挑むキャリア

「アスリート」である今こそ、未来への助走を

ピッチの外でも輝く笑顔。「ゼロイチ」から生まれたこのジャムは、アスリートが新たな価値を創造し、社会と繋がるための『確かな一歩』だ

「同年代の選手と話していても、セカンドキャリアについて具体的に考えている人は少ないのが現状です」と高橋選手は語る。「次が決まっていないから辞められない」「何をしていいか分からないから不安」。そんな声なき声が、女子サッカー界にはある。

最後に、アスリートとしてだけでなく、一人の働く人としてキャリアに悩む人たちへ、メッセージをもらった。

「私も最初は不安でしたが、一歩踏み出したことで、サッカーだけでは絶対に出会えなかった人たちと出会い、自分の世界が広がりました。群馬での経験も、きっと将来の糧になると信じています。現状に悩んでいるなら、まずは小さなことからでもトライしてみてほしいです」(高橋選手)

「私はこの活動を通じて、誰かのために動くことが自分の原動力になると知りました。私たちの活動を見て、『自分にも何かできるかもしれない』と思ってくれる選手や、一歩踏み出す勇気を持ってくれる人が一人でも増えたら嬉しいです。これからも、自分自身がロールモデルとなれるよう、走り続けたいと思います」(下條選手)

彼女たちの活動は、まだ「小さな1(イチ)」かもしれない。しかし、その1は確実に誰かの心を動かし始めている。 ピッチの上だけでなく、社会というフィールドでもゴールを目指して走り続ける彼女たち。「ゼロイチプロジェクト」は、単なるフードロス削減活動ではない。それは、アスリートが「競技者」という枠を超え、一人の人間として自らの足で立ち、社会と共に生きていくための、価値ある「再定義」への挑戦なのだ。

取材時、二人は「まだ手元にはほとんど残らないんですけどね」と笑いながら、それでも力強く未来の構想を語ってくれた。 彼女たちは現状の厳しさは決して嘆かず、「自分たちの手で変えられること」に注力している。決して恵まれているとは言えない環境を逆手に取り、地域を巻き込んで価値を生み出す姿は、多くのアスリート、そして今の場所に迷いを感じている人達に、「はじめる勇気」を与えてくれる。 不揃いの梨たちが甘いジャムに変わるように、彼女たちの懸命な一歩が、いつか豊かな実りをもたらしてくれるに違いない。

PROFILE
下條 彩(しもじょう・あや)
現役女子サッカー選手・指導者。ゼロイチプロジェクト発起人。伊賀FCくノ一三重などを経て、現在はFC琉球レディースに所属しながら指導者としても活動。
高橋 杏奈(たかはし・あんな)
現役女子サッカー選手。バニーズ群馬FCホワイトスター所属。コロナ禍での資格取得を機に食への関心を深め、プロジェクトに参画。

ゼロイチプロジェクト:アスリートと農家が連携し、廃棄食材を活用した商品開発を行うプロジェクト。売上の一部は活動資金や農家への還元に充てられる。現在はジャムを中心に展開中。
https://www.instagram.com/zero1_project/

text by Yoshio Yoshida(Parasapo Lab)
写真提供:ゼロイチプロジェクト

配信元: パラサポWEB

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