一人で描いてくれた設計図
ソファ、テレビ、二人分の本棚。どれも私の好みを覚えていてくれたのだとわかる配置でした。彼が出してくれたお茶を飲みながら、私は新しい暮らしを思い描いていました。ただ、窓際にはきれいに彼の机が収まっていて、私の机だけが、部屋の出入り口に近い壁ぎわに描かれていたのです。
「机はそっちでいいよね」という確認
「机はそっちでいいよね」。彼は図面にペンを走らせたまま、こちらを見ずにそう言いました。決まったことを読み上げるような口ぶりでした。私は「私の机だけ、廊下側なんだ」と返すのがやっとでした。彼は少し考えてから、「そこが一番、仕事しやすいと思ったんだけど」と続けました。
