数的優位89分間――それでもゴールを奪えなかった
選手10人のウルグアイに対し、スコットランドは残り89分をかけてゴールを狙い続けた。グループ突破をかけた猛攻は続いたが、ウルグアイの10人は徹底した守備ブロックで跳ね返し続けた。
試合は0-0のまま終了。数的有利を89分間まったく活かせなかったスコットランドは夢破れてグループリーグ敗退。一方、1人少ないウルグアイは勝ち点1を守り切り決勝トーナメントへ進んだ。
スコットランドサッカー協会のアーニー・ウォーカー事務局長は試合後、ウルグアイを「世界サッカーのクズ」とまで激しく非難した。その怒りの言葉が逆に、10人で無失点を守り切ったウルグアイの鉄壁の結束を際立たせる皮肉な結果となった。この記録は今もW杯史上最速退場記録として残っている。
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「ウェンブリーの戦争」——怒りの帰り道に閃いた
この試合で脚光を浴びたレッドカードそのものも、実はW杯が生んだ発明だ。1966年イングランド大会の準々決勝、イングランド対アルゼンチン戦は「ウェンブリーの戦争」と呼ばれるほどの荒れ試合になった。
イングランドは英語、アルゼンチンはスペイン語、主審はドイツ語という3言語が入り乱れ、退場を命じられたアルゼンチンのキャプテン、アントニオ・ラティンはその意図が伝わらずピッチを離れることを拒否した。FIFA審判委員会のケン・アストンがピッチに下りて直接なだめるという異例の事態が起きた。
