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すべての“主役じゃない人”に刺さる! 前説芸人・はりけ〜んずが初の自伝本出版「長くやってると、ええこともあるよ」

前説があったから、芸人を続けられた

──はりけ~んずは結成36年目です。ずっと残り続けてこられた理由は何だと思いますか。

前田 それは、やっぱり前説でしょうね。おかげでメシを食えたので。僕はありがたいことに、24歳でバイトを辞められましたから。

新井 それなりにはいただいてたんで。これで収入がなかったら、続けられなかったと思います。

──前説は、難しい空気の現場もありましたか?

前田 昔はありましたね。いまレギュラーでは『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系)しかやってないんですけど、『鑑定団』はあったかいお客さんです。

新井 昔は結構ありましたよね。やばい空気感で、聞いてくれない感じ。

タケト 僕からしたら、『鑑定団』のお客さんがあったかいというのは、もう真逆の感覚でした。Bコース(※タケトがかつて組んでいたトリオ)のときにやったことがあるんですけど、年齢層が高くて、難しいんですよ。そこでめちゃくちゃウケてる2人はすごいんだなと、改めて思いましたね。

新井 『鑑定団』は、僕らが行けないときに、助っ人で何組か行ってくれるんですけど、みんな首をかしげて帰ってくるっていう(笑)。

タケト はりけ~んずの代わりに行って、手応えを感じた人はいないと思います。それをあったかい現場って言ってるから、すごい腕があるんですよ。

新井 たった1組、すゑひろがりずだけが「やりやすかったです」って言ってたけど(笑)。もう本当にみんな首をかしげてるね。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

──前説でいちばん大切にしていることは何でしょうか。

前田 お客さんに不快感を与えない、嫌な思いをさせない。いまから主役が出てくるので、その前にちょっとでもリラックスさせて明るくする。だから、前説のときは、漫才のキャラと違いますよ。優しいただのお兄ちゃんみたいな感じです。ネタのときはガーガー言うタイプですけど。

新井 あと前説は、おじいちゃんおばあちゃんが多い現場もあるんで、ゆっくりしゃべったりもしますね。

タケト この本には、「前説で心がけてること」も書いていますよね。

『THE SECOND』で取り戻した“荒っぽい漫才”

──コンビを組んで36年のおふたりが、いまの若手芸人にアドバイスすることはありますか?

前田 僕はたまに言うのが、「漫才がうまいな」って言われだしたら注意せいよって。

タケト おお。

前田 「面白い」って言わせなあかんのです。「うまいね」っていうのは、もう完成されている。若手のオーディションで、完成されたものはいらないじゃないですか。僕ら自身も、「まだ成長すんねんな、新たな漫才ができるんや」って思ったのが『THE SECOND』でした。決勝に残って、自分の漫才がまた変わりましたから。

──どう変わったのでしょう?

前田 僕らも、年齢に合った感じでだんだん知らん間にゆっくりになって、おカネをもらうだけの漫才をやってた。それが、マシンガンズと戦って、ええ意味の荒っぽい漫才が帰ってきたんです。あいつらが刺激的で、荒っぽいから。

──マシンガンズに触発された?

前田 昔の自分と戦っているみたいで、自然に思い出したんです。だから『あしたのジョー』で言うと、ハリマオと戦ったときです。野生の相手と戦って、野生に帰る。もうジョーがジャンプして、口を殴るぐらいのね。

──それこそ、うまい漫才から面白い漫才に戻ったんですね。

前田 だから、いまの僕らの漫才はうまくないですよ。まわりも、「いまがいちばん速い漫才をやっている」と言ってくれます。NON STYLEの石田(明)にも「僕らが東京に出てきたときの、はりけ~んずさんに戻ってました」と言われましたから。

出典: FANY マガジン
出典: FANY マガジン

──タケトさんから見て、はりけ~んずの漫才の魅力はどんなところですか?

タケト やっぱりお客さんに向かっていくパワーを感じますよね。あと、どこまで決まっているのかがわからないです。「あれ、これネタに入ったのか?」ってプロでもわからない。“漫才は人と人の立ち話”ということを、本当に体現していると思いますよ。

前田 それはよく言われますね。「どこまでがネタなんだ」って。僕の中では、そう言っていただけるのがいちばん嬉しいです。

配信元: FANY Magazine

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