●日本ならではの「繊細な作業のデータ」が最大の強みになる
今回、フィジカルAIの展示を見て思ったことは、「まだ発展途上の技術であり、今後さらなる進化が期待される」ということだ。個人的には、ChatGPTなど生成AIのスピード感ある進化を考えると、「もう家事を手伝ってくれるようなAI搭載ロボットが出てきてもいいのではないか」くらいに考えていたが、「現実世界で、安全性を保ったまま自律的に動く」というのは、思いのほか難しいことなのだ。
例えば、AI搭載ロボットが公園のゴミ拾いをする場合、「それがゴミなのか」の判断は、意外とハードルが高い。何が落ちているのかは、予測不能だからだ。
だからこそ、たとえハードウェアなどは海外に先を越されても、日本ならではの“高品質な現場データ”を生かしたAIや自律制御技術を開発できれば、日本も最先端に立てる可能性はある。例えば、日本の「職人の繊細な作業の現場データ」が、絶対的な市場価値になり得る、というわけだ。AI搭載ロボットの世界であっても、その知恵や知識を与えるのは人間。結局、最後は、「人間のあり方」こそが重要なのだろう。(加藤弓子)

