かつての便箋
高校2年の春、部活の先輩たちから急に無視されるようになりました。誰にも打ち明けられず、教室の隅で下を向いていた私に、慎重に便箋を渡してくれたのが、その同級生でした。
『あなたはあなたのままでいいよ。味方はちゃんといるから』
たった数行の言葉に、当時の私はどれだけ救われたか分かりません。それなのに、私は結局面と向かってお礼を言えないまま卒業し、7年が経っていました。
送信ボタンを押すまでの葛藤
便箋を胸に抱えたまま、私は考えました。今さら連絡したら迷惑だろうか。急に何、と引かれるだろうか。それでも、この気持ちを伝えないままだと、また何年も経ってしまう気がしました。
「久しぶり!元気にしてる?」
打つのに、10分以上かかりました。
「久しぶり!元気だよ〜そっちも元気?」
返事が来て、ほっとしました。ここで本題を切り出したい。でも、数年越しのお礼をメッセージの文面だけで済ませたくない気持ちが勝りました。文字にすると軽くなってしまう気がして、まずは会うことをお願いしてみたのです。
「元気だよ!あのさ、急なんだけど、今度2人で会えたりしない?」
