
『鳥人戦隊ジェットマン』の黒レンジャー、結城凱はタバコを吸うアウトローなヒーローとして活躍した。画像は同作品のミュージックコレクションCD(日本コロムビア)
【画像】「えっ」「美しすぎ」 これがスーパー戦隊で「魅惑の悪役」を演じた女優たちです(4枚)
トラウマ不可避? 子ども向けとは思えない残虐さ
長きにわたり放送されてきた「スーパー戦隊」シリーズには、戦隊ヒーローたちに負けない存在感を放つ悪役が数多く登場してきました。なかでも今回取り上げるのは、その非道な行いで視聴者に強烈な印象を残したキャラクターたちです。それぞれ異なる形の「悪」を体現し、違った方向で視聴者に衝撃を与えてきました。
1991年放送のスーパー戦隊シリーズ第15作『鳥人戦隊ジェットマン』に登場する「裏次元伯爵ラディゲ(演:舘正貴/当時:舘大介)」は、戦隊史上最も外道な悪役のひとりとして、今なおファンの間で語り継がれています。
地球征服を狙う「次元戦団バイラム」の幹部たちが権力闘争を繰り広げるという異色の設定のなかで、ラディゲはその残忍さでひときわ異彩を放っていました。
第17話から第18話にかけて、ラディゲはバイラムの首領である「女帝ジューザ(演:高都幸子)」への反逆の罰として記憶を奪われ、人間の姿にされてしまいます。しかし、その後すべての記憶を取り戻すと、ラディゲはお世話になった一般市民の女性をためらいなく殺害します。
さらに物語終盤では、ライバル幹部「トランザ(演:広瀬裕/当時:広瀬匠)」の策略で巨大ロボ「ベロニカ」から生命エネルギーを吸収され弱体化しますが、逆にベロニカの生命エネルギーを吸い取って一命を取り留め、人間へと変身し消息を絶ちます。
そして、第47話で青年の姿を装ったラディゲは再びその正体を現し、台頭していたトランザへの復讐を開始しました。ラディゲはトランザを執拗に痛めつけたうえ、あえて命は奪わず「ラディゲ様」呼びを強要し、トランザに最大の屈辱を与えます。その結果、トランザが病棟で廃人状態になってしまう衝撃的な場面が描かれていました。
視聴者からは「夕方に放送していたことが信じられない」「大人になってから見直して余計にきつかった」という声が今も絶えず、シリーズ屈指の悪役だったようです。
人間を「人形」扱い? 異質すぎる悪役
シリーズ第31作『獣拳戦隊ゲキレンジャー』(2007年放送)で真の黒幕として暗躍した「ロン(演:川野直輝)」は、戦隊シリーズ屈指の不気味さを持つ悪役として知られています。幻獣ドラゴン拳の使い手であるロンは、当初は謎めいた青年として登場しますが、物語が進むにつれてその恐るべき正体が明らかになっていきました。
ロンの最大の恐ろしさは、同じく悪の流派である臨獣拳の使い手「理央(演:荒木宏文)」に「強くならなければ生き残れない」という強迫観念を植え付け、彼の人生そのものを思い通りに操っていた点にあります。
ロンは理央の家族を皆殺しにした張本人であるだけでなく、ゲキレッドの「ジャン(演:鈴木裕樹)」の故郷である獣源郷を襲撃した元凶でもありました。理央とジャンという物語の中心人物たちが抱える悲劇の裏にロンの存在があったことは、多くの視聴者に衝撃を与えました。
物語終盤では、理央を一途に愛し続けた敵幹部「メレ(演:平田裕香)」をロンの本来の姿である「無間龍」で無残にも噛み砕き殺害します。そして、こうした数々の非道な行いも、ロンにとっては世界征服のためではなく、退屈を紛らわせるための遊びに過ぎなかったのです。
ファンからは「精神的な恐ろしさでは戦隊屈指」「倒してもなお救いが見えない敵」と評されることも多く、単なる暴力的な悪役とは一線を画す存在として語り継がれています。
