「アメリカで温泉旅館を作る」は必ず成功する
――いま星野リゾートにとって最大のライバルというと、どこになりますか?
星野 最大のライバルは、やはり外資系のホテル運営会社ですよね。僕らもホテル運営にコミットしてますけど、やっぱり今、海外大手のホテル運営会社さんが東京・大阪だけじゃなくて、どんどん地方に入ってきてますのでね。このことはもう、90年代から予想はしてましたけど。
――星野リゾートは、いまも非上場です。なぜでしょうか。
星野 会社はやっぱり成長ステージによって戦略を変えるべきなんですね。ですから、星野リゾートが永遠に非上場じゃなきゃいけないとは思ってないです。ただ、今はまだ我々、日本の中にしかいないじゃないですか。ここから先、海外に打って出るとなると、投資家の人たちからしたら、やっぱり非効率に映るわけです
実際に今、「アメリカで温泉旅館を作る」なんていうプロジェクトを進めていますけれども、ああいうことはやはりファミリーの非上場形態を維持しているからできることだと思いますね。
もちろん大きなリスクですし、短期的な収益は落とすかもしれませんけど、それは私たちが将来、世界のホテル運営会社の中で戦っていくために、今、絶対やらなきゃいけないことだと思ってるわけです。
――アメリカでの事業は成功しそうですか?
星野 必ずうまくいくと僕は思っています。あそこでブレイクスルーしていかないと本当の意味で、世界で戦っていくってことはできないです。
我々からすると、外資系の運営会社から日本をしっかり守るっていうのは大事ですけど、同時に私たちも海外に出ていって、しっかりと自分たちの実力を証明するってことも次の成長につながると思います。
次の経営者に期待すること
――それは星野さんの経営者としての最後のお仕事になるのでしょうか。
星野 そうですね。何かあんまり最後とかっていうことに気合いを入れすぎない方がいいと思っているんですが、星野リゾートの戦略としてはそれはやっぱりやらざるを得ないんですね。
「アメリカに行く」と、「アメリカへ行くには温泉旅館で行く」、これは正しいと思っているんですけど、それを私の代でできるのであればやりますし、できないのであれば、次の代がやらざるを得ない大事な戦略だと思います。
――次の経営者に期待することは何でしょうか。
星野 会社はだいぶ大きくなりました。私が引き継いだ頃とは違って、いまは正社員だけでも5000人を超え、運営施設も80を超えています。もう一人の経営者が引っ張る時代ではありません。
会社全体の仕組みと、それを動かすチームで競争力を維持する時代です。その中でやはり短期的な成長や利益というものよりも、長期視点、持続可能性を重視して、正しい戦略をとっていくことが大事だと思います。
文/集英社オンライン編集部
前編 「根性論では会社は伸びない」星野リゾート代表・星野佳路が語る「経営はサイエンス」の真意 はこちら
【番組名】 日経スペシャル ガイアの夜明け Beyond The Story
【放送日時】 7月25日(土)午前11時30分~12時00分 テレビ東京で放送
【配信】 放送未公開部分を含む星野佳路さんの「Beyond The Story」オリジナル版や、「ガイアの夜明け」の過去放送回まで 動画配信サービス「テレ東 BIZ」なら見放題!
テレ東 BIZ:https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/gaia

