ケムリの子ども時代の壮大な勘違い
――今回の絵本の内容は“間違い探し”でもありますが、大人になって振り返ると、「子どものころ、こんな勘違いをしていたな」という経験はありますか?
一番大きな勘違いは、小学6年生の頃ですね。僕は小学校まで公立で、中学からは私立に進学したんですけど、中学受験ってそれまでの人生で初めて「結果次第で、この先の人生が変わる」出来事だった。小6の自分にはそれが理解できなくて。小学校って小1の次は小2、小3って当たり前のように進級してたんで、「この先どうなるか分からない」「未来が見えないってことは…俺死ぬのかもしれない」と本気で勘違いしていました(笑)。
――それは壮大な勘違いですね(笑)。
大人になってみて、「子どもの頃、思い描いていた大人とは違ったな」ってこともいっぱいあるじゃないですか。大人でもめっちゃサボるし、好き嫌いも激しいし…。そう思うと、大人って子どもとあんまり変わらないかもなって。
――絵本の内容の“間違い”にちなんで、人生で一番大事だったと思う失敗はありますか?
それはやっぱり大学受験じゃないかな。現役で全ての大学に落ちたので、浪人時代めっちゃ勉強したんですけど、それが自分の中でちょっとした成功体験になってますね。「やろうと思えば、ここまで勉強できるんだな」って。
あの頃、なんであそこまで追い込んで勉強できたか分からないですけど、周囲と比べて劣等感があったのかもしれません。でも「自分はいざとなれば、コツコツ努力できる才能があるんだ」と思えるようになったことが、精神的に今でもいい方向へ転がっている気がします。
――絵本づくり以外に今後、挑戦してみたいジャンルはありますか?
まずはベストジーニスト賞! でもこれ去年10月から言いすぎてて、もらえない気がするんだよな。っていうか、もうぱーてぃーちゃん信子とかに決まってるんじゃないかな(笑)。あとは、ダイエット! ダイエットはしたいですね。
――創作ジャンルに関してはどうでしょう?
そうですね、YouTubeでゲーム実況ができるようになりたいですね。
――ゲームはお好きなんですか?
好きじゃないですよ。でもゲーム実況ができるのって、現代のタレントが生き抜くうえで、結構大切なスキルだと思ってて、一つの死角なんじゃないかと。ゲームをしながら、コメント欄を拾いつつ、喋り続けるのって結構大事な気がしてて、「あの才能はいいよな~」って思ってます。自分にはその才能がうっすらあるような気はしてるんですよ。でも実況する時間が今はないんですけどね…。
――最後に絵本づくりを通して、自身が成長したことを教えてください。
子どもの視座に立つ練習ができたことですかね。個人的には今も正しく立てているか分からないし、トライ&エラーが必要なんでしょうけど、そういう経験を得たっていうのが、一つ大きく成長した点だと思いますね。
取材・文/木下未希 撮影/井上たろう
『ちがうちがう』(集英社)
松井ケムリ
2026年7月24日発売予定1980円(税込)34ページ ◆◆松井ケムリが描き下ろした初絵本◆◆
Mー1グランプリ連覇などでお馴染みの令和ロマンの松井ケムリ。
2025年6月に第一子が誕生したパパ芸人が自ら描き下ろした絵本です。松井ケムリ自ら描いたおもしろおかしいキャラクターやイラストが満載。
神様が間違えて作ったおかしな世界を小さな少年が正していく親子で楽しめるストーリーとなっています。
水中で泳ぐライオン、地上を走るサメ、キバの生えたパンダ、ぐにゃぐにゃの公園、四角いフルーツ……ちょっと不思議でおかしな世界に「ちがうよ!」とやさしくツッコミ!
読み聞かせしながら「どこが間違っているかな?」と楽しく考える1冊です。

