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「今さら何を観察しろと?」朝顔、ミニトマトが猛暑で夏休み前に力尽きる…小学生の宿題に異変「教材としてうまく育てるのが難しい状況にある」と専門家、保護者も困惑

「今さら何を観察しろと?」朝顔、ミニトマトが猛暑で夏休み前に力尽きる…小学生の宿題に異変「教材としてうまく育てるのが難しい状況にある」と専門家、保護者も困惑

夏休み前日に、小学生が学校で育てた朝顔やミニトマトを持ち帰る光景は、毎年の風物詩だ。しかし近年は猛暑の影響で、終業式を迎える頃には植物が弱ったり枯れたりしているケースもあるという。小学生が育てる“夏の定番”に何が起きているのか。専門機関に話を聞いた。

枯れた枝の先に青いミニトマトが…

小学校の1学期末に、大きな鉢を持って歩く子どもたちや保護者。学校で育てた朝顔やミニトマトなどの植物を持ち帰り、夏休み中に観察を続けるのは、小学校の定番教材の一つだ。

ところが近年は、記録的な暑さの影響でそうした光景に変化が起きている。

都内で2人の小学生を育てる父親はこう話す。

「夏休みの宿題でミニトマトの観察日記があるため、取りにくるよう学校から連絡がきました。ウチの学校では保護者が取りにいくのが必須なんですが、酷暑のせいかトマトの枝も脇芽も伸び放題で、鉢からあふれ、実もすでに落ちて枯れてしまっていました。この“残骸”をこれからどう観察すればいいか子どもも困っています」

いっぽう、別の都内在住の母親は枯れかけたミニトマトの“再生”に余念がないという。

「1学期の間は先生から『暑いから休み時間も外に出ちゃだめ』と言われていたようで、ミニトマトの水やりも自主的にやめていたようです。1学期終わりに持って帰ってきたのを見ると、枯れた枝の先に青いミニトマトが数個ついていて、あまりにも痛ましいので毎日水やりを続けています。数日前から赤く色づき始めたような気がします」

小学校では、「生活科」の授業で朝顔やミニトマトなどを栽培し、夏休み中も各家庭で世話を続けるのが一般的だ。しかし近年は猛暑の影響で、終業式を迎える頃には植物が弱ったり、枯れたりしてしまうケースもみられる。

農業・食品産業に関する研究開発を行う農研機構の担当者は、ミニトマトの栽培について次のように話す。

「地球温暖化にともない、近年の夏は非常に高温となっており、小学生の教材として育てているミニトマトについても、うまく育てるのが難しい状況にあるものと考えています。また、大きく育ったとしても、高温による着果不良や花飛び、果実の肥大不良によって、期待している果実が採れないケースもあるものと思います」

「さらに高温に強い品種育成が必要になってきているものと考えています」

前述の担当者によれば、高温への対応策として「高温耐性」のミニトマトが増えているが、さらに高温に強い品種の開発・育成が必要だという。

「民間の種苗会社が販売している最近のミニトマトについては、高温耐性を売りにしている品種が増えています。以前の品種に比べると学校教材として栽培しやすい品種になっていると言えますし、被害は軽減しているものと考えています。しかし、ここ数年間の夏場の気温はこれまでを超える高い気温となっているため、さらに高温に強い品種育成が必要になってきているものと考えています」

また、高温下では水やりのタイミングも重要だと指摘する。

「小学生の教材では、土の量が少ないポットや小さな鉢で栽培しているケースが多いのではないかと思います。ただ、やはり気温が高いために、ポットや小さな鉢ではあっという間に土が乾燥してダメージを受けることになります。

そのため潅水(水やり)が非常に大事になりますが、校庭などの土で栽培している場合も含めて、日中の暑い時間帯に潅水すると強い日差しと高温により沸騰水になってしまうため、やはり大きなダメージを受けてしまいます」

担当者によれば、水やりに適している時間は「早朝あるいは夕方以降」だという。しかし、それを日々継続するには工夫が必要になる。

「せっかくの教材ですので、ぜひ頑張って適時の潅水に取り組んでいただきたいと考えています」と同担当者は話した。

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