
最近、現代人の生活から失われつつある時間があります。
それは、何もせずに「ぼんやりする時間」です。
スマホやタブレットの普及により、わたしたちはあらゆる隙間時間を効率よく埋めるようになりました。
電車の通勤時間、エレベーターに乗っているとき、職場の休憩中などなど、わずかな隙間時間も有効利用しようと頭を使っています。
一見すると、何もしない「ぼんやり時間」をなくすことは、いいことに思えるかもしれません。
しかし、実は「ぼんやり時間」は脳にとって重要な意味があります。
そこで今回は、ぼけ〜とする白昼夢の時間がもたらす「5つの効果」について紹介していきます。
目次
- 効果1:ストレスや不安から「心の距離」を取れる
- 効果2:問題解決のヒントが得られる
- 効果3:脳のさまざまな領域が同時に活性化
- 効果4:「計画の遂行」や「目標の達成」を助ける
- 効果5:創造性のスイッチがONに
効果1:ストレスや不安から「心の距離」を取れる
仕事上の失敗や人間関係の問題が起きると、私たちの意識はその出来事に縛りつけられてしまいます。
「なぜあんなことを言ってしまったのだろう」
「明日の仕事がうまくいかなかったらどうしよう」
このような思考を繰り返していると、身体は休んでいても、頭の中では緊張状態が続きます。
そこで役立つ可能性があるのが、楽しい内容の白昼夢です。
森を歩いている場面や、行ってみたい旅行先、穏やかな休日の過ごし方などを思い浮かべると、意識を目の前のストレス源から一時的に引き離せます。
問題そのものが解決するわけではありませんが、悩みとの間に心理的な距離が生まれ、張り詰めていた気持ちを緩めやすくなります。
こうした楽しく未来志向の思考は、肯定的な感情や人生満足度などと関連することが報告されています。
不安が強くなっていると感じたときには、いったん画面から目を離し、ゆっくりと呼吸しながら、自分にとって心地よい場面を思い浮かべてみるとよいでしょう。
白昼夢は不安を治療する方法ではありませんが、心を休ませるための小さな避難場所にはなり得ます。
効果2:問題解決のヒントが得られる
難しい問題に直面したとき、多くの人は「もっと集中しなければ!」と考えます。
しかし、同じ問題を長時間考え続けていると、思考が特定の方向に固定されてしまうことがあります。
何度考えても同じ答えにたどり着き、別の可能性が見えなくなってしまうのです。
こんなときは、あえて問題から離れることが役立つ場合があります。
白昼夢を見ていると、意識は目の前の課題から離れ、過去の記憶、以前に読んだ情報、最近の経験、想像上の場面などを自由に行き来します。
この自由な連想によって、それまで無関係に見えていた情報が結びつき、新しい解決方法が浮かぶ可能性があります。
実際、単調で負担の少ない作業を行い、心がさまよいやすい時間を挟むことで、その後の創造的な問題解決が促進される可能性を示した研究があります。
皿洗いや散歩をしているとき、突然問題の答えを思いついた経験がある人もいるでしょう。
これは、問題を完全に忘れていたというより、意識的な集中から離れている間にも、脳が情報を組み替えていたためかもしれません。
どうしても答えが見つからないときには、さらに強く考えるのではなく、一度ぼんやりする時間を作る方が有効な場合もあるのです。

