効果3:脳のさまざまな領域が同時に活性化
ぼんやりしている人を見ると、「頭を使っていない」と感じるかもしれません。
しかし、白昼夢を見ている脳内では、意外に複雑な活動が起きています。
特に関係するのが「デフォルト・モード・ネットワーク」です。
これは、自分自身について考えたり、過去を思い出したり、未来を想像したりするときなど、脳の情報整理や創造性の向上に関わる複数の脳領域からなるネットワークです。
さらに研究では、心がさまよっているときに、デフォルト・モード・ネットワークだけでなく、注意や判断、問題解決に関わる実行系ネットワークも働くことが示されています。
通常、デフォルト・モード・ネットワークは内側から生まれる思考に関わり、実行系ネットワークは考えを整理したり、目標に合わせて制御したりする役割を担います。
白昼夢の最中には、記憶や想像からさまざまな情報が浮かび上がる一方で、その中から意味のある内容を選び、組み合わせる処理も行われていると考えられます。
こうした異なる脳領域が活性化されると、それまで手の届かなかった情報や、眠っていた情報にアクセスできる可能性があります。
つまり、ぼんやりすることは脳の電源を切る行為ではありません。
普段は離れている記憶やアイデアを行き来し、それらの間に新しい道を作る時間なのです。
効果4:「計画の遂行」や「目標の達成」を助ける
白昼夢というと、現実とは無関係な空想を思い浮かべるかもしれません。
しかし、自然に生じる白昼夢の多くは、本人が抱えている目標や予定と結びついています。
ある研究では、未来志向の白昼夢の内容には、自分の生活に関する計画が頻繁に含まれていることが示されました。
たとえば、転職を考えている人は、新しい職場で働いている自分を想像するかもしれません。
旅行を計画している人は、目的地までの移動や現地での過ごし方を頭の中で試すでしょう。
スポーツの試合や発表を控えている人であれば、本番で自分が動いている場面を想像することがあります。
こうした未来のシミュレーションによって、必要な準備や起こり得る障害を事前に整理できます。
ただし、成功した自分だけを思い浮かべれば、必ず目標を達成できるわけではありません。
有効なのは、理想の結果だけではなく、そこへ至る手順や、途中で直面しそうな問題まで具体的に想像することです。
「どんな行動を取るのか」
「意欲が下がったときにどう立て直すのか」
「障害が起きたら、どの方法を試すのか」
このような現実的で構造化された白昼夢は、漠然とした願望を、実行可能な計画へ変える手助けになります。

