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ピーター・パーカーの「日常」はどこだ 『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』が描く新章

ピーター・パーカーの「日常」はどこだ 『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』が描く新章

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)が、2008年に『アイアンマン』で開幕して18年。映画『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)でトム・ホランド演じるスパイダーマン/ピーター・パーカーが初登場してから、早くも10年が経過した。

映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は、そんなMCU版『スパイダーマン』シリーズの第4作。MCUで同じ主人公による単独映画が第4作まで作られたのは『ソー』シリーズに続いて2例目であり、映画版『スパイダーマン』としては史上初となる。

前作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022)の結末で、世界は大きく変わった。この新たな物語で、ピーター・パーカーはどんな「ブランド・ニュー・デイ」を踏み出したのか。スパイダーマンとして生き続けるなか、彼はどこへ行くのか?

ひとりになったピーター・パーカー

思えば、MCU版スパイダーマンの物語はつねに大きなユニバースと接続されてきた。

『シビル・ウォー』での初登場からアイアンマン/トニー・スタークを師匠とし、アベンジャーズの内紛に参戦。単独映画第1作『スパイダーマン:ホームカミング』(2017)でもトニーとの関係性は続き、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)では宇宙規模の激戦に加わった。

師匠が去った後も、ピーターは『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム』(2019)ではニック・フューリーと対面。そして『ノー・ウェイ・ホーム』では、ドクター・ストレンジ、そしてマルチバースのスパイダーマンと力を合わせて戦っている。

映画『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022)より ©2021 CTMG. © & ™ 2021 MARVEL. All Rights Reserved.

しかし『ノー・ウェイ・ホーム』のクライマックスで、ピーターは崩壊に瀕した世界を救うため、全世界の人々から自らに関する記憶を消した。恋人のMJ、親友のネッド、そして共闘したスーパーヒーローたちも、誰ひとりピーター・パーカーの存在を覚えていない。

本作『ブランド・ニュー・デイ』の舞台はそれから4年後。ピーターはニューヨークで孤独に暮らし、スパイダーマンとして街の平和を守っている。過去の生活を諦め、“親愛なる隣人”スパイダーマンとしての使命に邁進しているのだ。

かつて仲間に囲まれていたピーター・パーカーは、いまや完全にひとりになってしまった。そんな中、ニューヨークのダメージ・コントロール局を狙った謎の襲撃事件が起きる。現場に向かったピーターは、犯人が謎の存在によって憑依されていることを知った。 姿を見せない黒幕は何者か、その目的はなにか。ピーターは真相を突き止めるべく黒幕を追いはじめるが、やがてMJに危機が迫り‥‥。

ストリートのヒーローとして

本作では、トム・ホランド演じるMCU版スパイダーマンとしては初めて、ストリートでの活躍に焦点が当てられている。これまでは特殊な環境で戦うことも多かったため、ニューヨークの摩天楼や大通りをスイングする姿が大スクリーンで描かれるのは久々。スパイダーマンが、ニューヨークにおける「親愛なる隣人」だったことを思い出させてくれる。

映画の序盤は、このコミック由来のスパイダーマンらしい活躍を痛快かつコミカルに描く。コミックの有名な1コマをほとんど再現し、あるいはオマージュを捧げたカットがいくつも登場し、ゲーム『Marvel’s Spider-Man』を思わせるショットさえ出てくる。これぞスパイダーマン・アクションという楽しさをたっぷり味わえる滑り出しだ。

コミックでもおなじみの組み合わせである、パニッシャー/フランク・キャッスルとのタッグもファンには見どころ。「Marvel デアデビル」以来、配信ドラマでパニッシャー役を演じてきたジョン・バーンサルが、本作で初めてMCU映画に登場した。

悪人を殺さないスパイダーマンと、激しい暴力や殺傷を厭わないパニッシャーの正義は相容れず、ふたりはほとんど対立しているような関係性だ。ただしホランド演じるスパイダーマンは、『シビル・ウォー』におけるバッキー・バーンズ&サム・ウィルソンがそうだったように、やや粗野で堅物な年長者との相性が抜群。今回のパニッシャーとも絶妙な化学反応を見せてくれる。

それでは『ノー・ウェイ・ホーム』のあと、すっかり変わってしまった世界で、ピーターは以前にもまして充実した生活を送ることができているのか?

現実はうまくいっていない。ピーターは自分の日常からいなくなったMJとネッドを、SNS越しに今も見守っており、失われた生活への未練を捨てられずにいる。MJが働いていたコーヒーショップのカップは今も部屋に置かれており、その中にはMJにひっそりと宛てた手紙が入っていた。 そんななか、自らの能力に異変が起きる。突然の遺伝子異常によって、ピーターはスパイダーマンとしての能力をうまく操れなくなり、時にはピーター・パーカーとしての理性と優しさが一時消滅してしまうのだ。

配信元: otocoto

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