◆「W杯売却計画」発覚——6880億円でサッカーの魂が切り売りされる日
事態の発端は、英大手紙『THE TIMES』などの衝撃的なスクープであった。FIFAは2000億ドル(約3兆2763億円)規模の新子会社「FIFAフォワード・エンタープライズ」を設立し、男子および女子W杯、さらにはクラブW杯の主要権利をすべてこの新会社へ丸ごと移管しようと目論んでいる。言わば、ワールドカップという巨大な権利の「受け皿」を作ったのだ。
米金融大手JPモルガンがアドバイザーを務め、ジャレッド・クシュナー氏の弟であるジョシュア・クシュナー氏の投資ファンド「スライブ・エターナル」など“金の顔ぶれ”が出資を検討。新会社株式の最大21%を民間の投資ファンドへ売却し、日本円にして約6880億円という巨額の資金を調達する「売却の構図」が、完全に出来上がっていたのである。
◆60億円の“懐柔マネー”——加盟協会を買いならすFIFAの手口
さらに事態を凄惨にしているのが、6880億円の売却とセットで動く「二段構え」の工作だ。インファンティーノ会長はこの計画推進に伴い、各加盟協会へ最大で約60億円の追加資金を提供する方針を提示した。
これは裏金ではなく、あくまで「合法的」な資金分配という形をとっている。しかしその本質は、分配金という名の「懐柔マネー」であり、金の力で加盟協会を買いならして批判の声を黙らせる「沈黙の対価」に他ならない。ワールドカップという世界的資産を投資家の手へと売り渡す暴挙に対し、サッカー界からは怒りの声が噴出した。
