弱ったロシアは歓迎する中国
中国はロシアの敗北や崩壊までは望まない。国境の向こうが混乱すれば、中国にも不利益だからだ。
だが、弱ったロシアは歓迎する。石油と天然ガスを安く買え、中国製品を売ることができ、人民元の利用も広げられる。ロシアが西側と対立するほど、北京へ土下座するしかなくなる。
だから習近平は、プーチンを無視できる。急ぐ必要がないからだ。値切ることもできる。ほかに売る相手がいないと知っているからだ。
プーチンは欧米に屈しないロシアを作るために戦争を始めた。4年半後に現れたのは、中国の返事を待ち、中国が示す値段を受け入れ、中国の市場なしには立てないロシアである。
つまりは42本の合意文書は、その屈辱を隠す飾りであったということだ。
欲しかった契約は取れなかった。笑顔で迎えられ、友好を語られ、肝心の要求は無視された。プーチンが西側との戦争で失ったものを、習近平は急がず、安く買い取ろうとしている。
文/小倉健一

