最新エンタメ情報が満載! Merkystyle マーキースタイル
呪い(のろい)じゃなくて、お呪い(おまじない)!『超ヤバイお呪い(おまじない)展』開催記念/たっくー氏×清水崇監督 特別対談「呪いとおまじないは表裏一体」

呪い(のろい)じゃなくて、お呪い(おまじない)!『超ヤバイお呪い(おまじない)展』開催記念/たっくー氏×清水崇監督 特別対談「呪いとおまじないは表裏一体」

「お呪い」と書いてあるのを、とっさに「おまじない」と読める人、すごいと思います。

そう、呪い(のろい)もお呪い(おまじない)も、古(いにしえ)から続く、未知なるチカラに向けて、人々が願望をかなえるための儀式。

そんなおまじないを集めまくって、しかも試せる展示が、西武渋谷で始まりました。その名も『超ヤバイお呪い(おまじない)展』。

この「100のおまじないを視て、触れて、試せる不可思議な催し」は、2026年7月25日(土)からスタート。8月24日(月)まで開催予定となっています。

今回は『超ヤバイお呪い展』の開催を記念し、オカルト界、ホラー界の代表とも言える人たちからお話を伺う機会に恵まれました。

都市伝説・オカルト系YouTubeクリエイター たっくーさん、そしてホラー映画界のレジェンド・清水崇監督です。

YouTubeクリエイター
たっくー氏

都市伝説やオカルト、民俗文化、ネットカルチャーなど、多彩なテーマを独自の視点で発信するYouTubeクリエイター。親しみやすい語り口と丁寧なリサーチを生かし、身近な言い伝えから世の中の不思議な話まで幅広く紹介している。エンターテインメント性と考察を織り交ぜたコンテンツで多くの視聴者から支持を集め、幅広い世代に「知る楽しさ」を届けている。

映画監督
清水崇 監督

1972年生まれ、群馬県出身。大学で演劇を学び、助監督を経て1998年に監督デビュー。
原案/脚本/監督のオリジナル企画「呪怨」シリーズ(99~06)はVシネ、劇場版を経てハリウッドリメイク(04、06)。日本人監督の実写作品として初めて全米興行成績No.1を獲得する。
近作に『犬鳴村』に始まる《恐怖の村》シリーズ3部作(20~22)や、『ホムンクルス』(21)、『忌怪島/きかいじま』(23)、『ミンナのウタ』(23)、『あのコはだぁれ?』(24)など。公開待機作として『口に関するアンケート』(26)が控える。

近年、何かに引き寄せられるように場を共にすることが増えたというお二人。

今回は『超ヤバイお呪い展』や監督の最新作を介して、呪いやおまじない、怪異についてのお話をお伺いしてみたいと思います。

おまじない

──たっくーさんは『超ヤバイお呪い展』の監修を務められています。

たっくーさん:「おまじない」っていうのは、普段の僕のジャンルと被らないような印象があるんですが、突き詰めると呪いや生霊といったものも、おまじないの要素のひとつになるんじゃないかなと。
僕のこれまでの経験で、何か力になれるんじゃないかということで、今回、監修として入らせていただきました。
展示は可愛いおまじないから怖いおまじないまで、温度差を意識しながら揃えさせてもらいました。

──おまじない、というワードで言うと、監督の作品がまさに今、ドンピシャのものが。

清水崇監督:そうなんですよ。たっくーさんが監修されるイベントをやるということで、「良かったら(展示を観に)いらしてください」と。お声がけいただいたのが本当、ここ数日なんですが、まさに今、上映中の僕の作品『だぁれかさんとアソぼ?』が“おまじない”の話なんです。

このお話は、あるおまじないから始まるんですが、そのおまじないが、とんでもなく怖い目に遭ってしまうきっかけになってしまいます。

そういうちょっとしたおまじないって、僕も子供の時に触れたことがありますし、周りの女の子たちも好きだったんですよね。今日、展示を観させてもらっても、もういろいろ知っているモノばっかりで、すごく懐かしい。どの時代にもあるから、どの世代にも刺さる内容ばかりですね。

──たっくーさんご自身にとってのおまじないはどうでしたか?

たっくー:身近でしたね。多分、意識されていない方でも、──特に日本人にとっては身近なモノだったと思います。お賽銭とかもそうですし、おみくじとかもそう。何かを信仰していなくても、常に(おまじないに近いものに)触れる文化があったのかなと思いますね。
恵方巻や節分の豆まきもそうですよね。家庭の中に存在している。そういうものが多かったなあ、と思いますよ。

監督の最新作『だぁれかさんとアソぼ?』では、ある条件でカセットテープに名前を吹き込むとその人が死んでしまう、というものなんです。字面だけ見ると起こり得ないことではあるんですけど、日本で暮らしていた人だと、これがスッと入ってくる。「そういう呪いなんだ」っていう風にわかるんですよね。これは日本ならではだなぁ、って今回の展示と重ねて、改めて思いました。

清水監督:ちょっとした日常にあるところから入るんですよね。些細なこと。人の悪口を言うくらいの軽い気持ちでやってみようか、ぐらいのね。でも、「それ言っちゃダメな言葉だよ」とか、そういうものがある。特に日本はそういうのが多いんじゃないですかね。

たっくー:多いと思います。逆にポジティブな意味では、勝負服とか勝負下着、なんてのもおまじないの一種ですよね。監督はクランクインの時にはこれを身に付けていく、といった願掛け的なものはあります?

清水監督:台本のカバーは20年以上同じものを使ってますね。

たっくー:映画の台本用の?

清水監督:うん。2006年だからちょうど20年前にオリジナルの台本カバーを作って、その時のスタッフ・キャスト全員に配ったことがあるんですよ。それを今でも自分は使ってるんだけど、たまにその時のスタッフも使ってくれてる。

たっくー:へええええ!

清水監督:中には「うちのチームやった事ないですよね?」っていう(新しい)スタッフがその台本カバーを持ってたこともある。聞けば、その人の奥さんがもともと清水組のスタッフで。

たっくー:なるほど!

清水監督:「僕は清水組に初めてだけど、カミさんの見ていいな!と思って(台本カバーを)もらっちゃって。今、僕が使ってるんです」って。

(一同笑)

なんかそれを知ると、20年続いてるっていうことに、なんか不気味さも感じるじゃないですか。僕が使っているだけじゃない。

たっくー:確かに。何でしょうね。物で当時のことが繋がっていくっていうのは、ある意味、人間関係とかよりも深い表し方ですよね。
ただ、これをネガティブな感覚でとらえると、もし台本カバーを忘れた日があった場合、ちょっとテンション下がったりしませんか?

清水監督:勝手に自分で執着してるから、「忘れた!」ってテンションが下がる。だから執着を変に持ちすぎると、自分で自分の首を絞めることもある。

たっくー:そうですよね。僕も、朝は決まったコーヒーを飲むっていうのがあるんですが、ずっと好きで飲んでいたはずのものなのに、いつしか習慣になってしまっている。すると、それを飲まないとなんか不安になる。「今日飲んでないけど大丈夫かな」って。そう思ったとたんに悪いことが起きそうな気がするというか。

清水監督:自分で勝手に思ってるんだよね。

たっくー:だから“おまじない(お呪い)”って、字の中に「呪い」の文字が入っているのは、まさに表裏一体なのかなって思います。

清水監督:今回の『お呪い展』も字だけ見るとネガティブなイメージになるかもしれないけど、でも字が示すように、おまじないは口から口へ伝わったものばかりですよね。子供の時に聞いたものが、今の世代でも通じてるものがきっとあると思うんですよ。
「霊柩車を観た時は親指隠したほうが良い」とかね。

たっくー:ありました。「夜に爪を切ってはいけない」とかも、昔は電気が無くて家の中が暗いから、そんな中で爪を切ったらケガをしやすいことが由来していると言われてる。もともと身を守るための伝承だったけれど、いまや明るいところでも夜は爪を切らないようになってたり。

清水監督:「口笛吹くと蛇が出る」とかね。それが子供への教育とか戒めの側面もありますよね。

人の妬み

たっくー:監督が言われてた霊柩車のおまじないもそうなんですが、昔と同じく今の子もやっていることって結構多いんです。今回の展示について調べてわかったことがあるんですが、おまじないは平成以降、新しいのがほぼ生まれてないんです。令和に入ってから生まれたものがなく、昔やってたことがずっと繰り返されてるらしいんですね。

更にさっきの「夜に口笛を吹くと蛇が出る」っていう昔のことわざなんですが、これは監修のコメントを作成する際に結構調べさせてもらったんです。
あれは、夜の帰り道とかに口笛を吹きながら歩いて帰ることで、その口笛を近所の人とかが聞くことになる。その近所の人の中には、その日に嫌なことがあった人もいる。すると「俺はイヤなことがあったのに、口笛なんか吹いて楽しそうにしやがって……」っていう風に妬みが起きる。

清水監督:妬みなんだ!

たっくー:その妬みを「蛇」というような言い方をしたそうなんですよ。これって昔の話ですが、じゃあ現代版にアップデートしたらどういうことなのかなって考えたら、SNSなんです。

SNSに買ったものとか、嬉しいことを発信する。“今日、イヤなことがあった誰か”がその投稿を見て、妬み、嫉妬になるという。昔のことわざもアップデートしたら、意外と通ずるところがあるんじゃないかな。

清水監督:結局、人間自身は変わってないってことですよね。人の嬉しいことは妬むし、不幸は喜ぶところがどこかである。

たっくー:だから、今回の展示も「じゃあコレって現代に置き換えたらどうなるんだろう」っていう視点でも観ていただきたいですね。

──『だぁれかさんとアソぼ?』に出てくるおまじないは、古くからありそうでいて、でも新しいものでもありますよね。

清水監督:はい。「階段の13段目でカセットテープに日付と名前を録音する」というものなんですが、この映画オリジナルのおまじないです。これが例えば50年後とかに、映画が発信元と知られずに若い人が「×××××(劇中のおまじないの名前)って知ってる?」てなってるかもしれない。

たっくー:ありますよね。今の幽霊のカタチとかも、実は江戸時代に描かれたある巻物が発祥だって言われたり。だから、もしかしたら作中のオリジナルのおまじないが、50年後100年後に言い伝えとして残ってる可能性は十分にあります。

配信元: ガジェット通信

あなたにおすすめ