「可愛い自分」より「作品の評価」
現在、鹿目はほぼ毎日のペースでSNSに作品を投稿し続けている。しかし、彼女はすでにその先を見据えている。
「今はまだ『漫画家』って名乗るには、正直、自信がないです。プロの漫画家さんに比べたら表現力も基礎も足りなさすぎるから、いろんな作品を読んだり実験したりして基礎を学んでいる最中です」
かつて自身の中にあった承認欲求は、今や完全に過去のものとなった。
「昔はずっと『可愛い自分を見てほしい』っていうアイドルとしての承認欲求があったんですけど、今はそれがまったくありません。自分の顔や名前よりも、自分が生み出した作品が評価される方が幸せを感じるんですよね。その変化に気づいたときに、『あ、今の自分の幸せってこっちかも』って確信できました」
過去の肩書きだけに頼ることなく、表現者として愚直に描くことを選んだ鹿目凛。世間の摩擦や人間の弱さをすくい取る彼女の漫画は、私たちが自分自身の心と向き合うきっかけを与えてくれるだろう。
取材・文/キムラ 撮影/稲垣謙一

