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オフシーズンも 夏こそ、山へ行こう。「スキー場は冬だけ」と思っている人に、いちばん伝えたい話

冬の聖地が夏はゴルフの舞台に

アルペンスキーで伝説の滑降コース「ハーネンカム」で有名なキッツビューエルは、夏のハイキングシーズンにもたくさんの観光客が訪れる。

滑降のスタートハウスからキッツビューエルのゴンドラ駅を望む

そのキッツビューエルで、今年初めて欧州男子ゴルフの大会(DPワールドツアー)が「オーストリアン・アルパイン・オープン」として5月末に開催された。ワイルダーカイザーの山々を背景にしたコースは、この大会のために大規模な改修まで施され、現地では早くも「夏のハーネンカム」と呼ばれ始めている。

今年はゴルファーとして活動する息子が、この大会の最終出場権をかけた予選会に参戦。出場はならなかったが、父はアルペンスキー、息子はゴルフ。畑違いに見える二つの競技の接点が、キッツビューエルという同じ町にあるというのは、家族としても不思議な感慨があった。

オーストリアン・アルパイン・オープンの舞台となったゴルフコース。背景はワイルダーカイザーの峰々

このイベント開催の背景には、近年のスキー場経営に共通する懸念がある。それが雪不足によるリスクだ。

冬の収益だけに依存しない安定した収益源として、あえて5月末というタイミングにゴルフのメガイベントを据えた。しかもアルペンワールドカップで培った大規模な交通誘導やVIPホスピタリティの運営ノウハウを、そのまま夏のゴルフ大会に転用。スキーとゴルフは顧客層の親和性が高く、冬に訪れたゲストを夏にもつなぎ止められれば、長期滞在や別荘としての資産価値向上にも直結してくる。

実際この大会には、地元のキッツビューエルスキークラブやオーストリアの伝説的スキーヤーたちも数多く関わっており、冬季産業にとっても無視できない動きになっている。通年型リゾートへの挑戦として、日本のウィンターリゾートにも参考になる部分は多いはずだ。

”Golf Stars auf der Streif”と題して滑降コースのスタートからティーショットを放つイベントも開催された

日本でも動き出した夏のスキー場営業

野沢温泉の長坂ゴンドラは全長約3km、ボトムからやまびこエリアまで約8分間のラグジュアリーな空中散歩が楽しめる

日本のスキー場もこの流れと無縁ではない。白馬岩岳、野沢温泉、びわ湖バレイ、グランデコなど、夏のグリーンシーズン営業に力を入れる場所は年々増えているし、白馬八方尾根のように、持続可能なリゾート運営を掲げる国際的なアライアンスに加盟し、通年での価値づくりに動き出している場所もある。

ひとつのゲレンデが「冬の数ヵ月だけ稼ぐ場所」から「一年を通じて地域と関わり続ける場所」へと姿を変えようとしている、その移行期を、僕たちはいままさに目撃しているのだと思う。

配信元: STEEP

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