クラシックなファサードガーデンのデザインとカラーコーディネート
それでは実際のデザインで見ていきましょう。
北入り(北側の出入り口)・直角駐車(道路に直角に駐車)のプランでご提案します。レンガに白いボーダーを入れて、落ち着きの中に清潔感のあるデザインにしました。
①門まわりは門柱と鋳物門扉でシンボリックに
家の顔になる門まわりは、塀よりも高い門柱と青銅色のアルミ鋳物門扉で、シンボリックに演出しました。右手の門柱は左手の門柱よりも幅を広く取り、宅配ボックス付きにしました。ポストは前入れ後ろ出しにして、道路に出なくても郵便物が取り出せます。
また、門扉を開けて入ったところにウェルカムベンチを設置すれば、ベンチが緑を背景にオブジェにもなり、ステキな空間になります。
●アルミ鋳物と型材のちがい
門扉やフェンスの製品には大きく「鋳物」と「型材」の二つに分かれます。
アルミ鋳物とは、鋳型(いがた・門扉やフェンスの形をした型)にアルミニウムを流し固めたもので、曲線などの複雑な形状のものをつくることができます。型材は、くりぬいた金型の中に液状のアルミを通すように押し出してつくったもので、直線などの単調な形状をつくります。鋳物は重量が大きく生産時間がかかるので、コストがかかりますが、高級感のあるものができます。型材は大量生産が可能なため、鋳物に比べはるかに安価で手に入れることができます。
②道路際はレンガ花壇で見栄えよく
道路際はレンガタイルの塀のみでは圧迫感があるので、塀の手前に同素材で花壇を設け、ツツジ類などの低木を植えてみましょう。ツツジ類は一般によくあるドウダンツツジもよいのですが、白花のリュウキュウツツジなら爽やかな感じに、また淡紅色に赤い斑入りのヒラドツツジで多少レンガになじませることで、単調なレンガ塀に変化が生まれ、来訪者の目も楽しませてくれます。
③駐車スペースはゲート付きで
駐車スペースの出入口はコの字型のゲートにします。上部の梁の部分の中にはシャッターのロールが入っているので、シャッターの開け閉めができます。手動式や電動式がありますが、後者は高価になります。また、ゲートの後ろにカーポートを設置する場合は、カーポートの屋根の傾きを隠すことができるので、玄関庇や塀などの水平方向をきれいに保つことができます。
それから、床も土間コンクリートだけでなく、部分的にタイルを張ると、見栄えがよくなりますす。
④玄関やホール脇は緑で見栄えよく
駐車スペースは殺風景にならないように、周囲に植栽をします。外壁や塀の足元は地中にコンクリートの基礎があるので、根が張っても大丈夫なグラウンドカバーや低木程度の背の低いものにしておきましょう。
⑤住宅の外壁と門柱・塀は統一感を
住宅の外壁や塀はレンガタイルで全体の統一感を出すことができます。レンガベースにベージュ色のボーダーを横方向に入れることで、重厚感の中に変化と清潔感がプラスされます。
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まとめ
クラッシックなファサードデザインは、茶系や赤茶系色の馬目地レンガタイルをベースにすると重厚なイメージになります。
住宅と塀や門柱などに同じ素材を使うと統一感が生まれ、高級なイメージを演出できます。
道路際に花壇を設ければ、街並みにもステキな景観を提供できます。室内からもこうした緑を眺められるよう、玄関ホールに窓を設けると、ガラス越しに緑が見え、室内と屋外の一体感が生まれます。
Credit
文&イラスト/松下高弘(まつしたたかひろ)
長野県飯田市生まれ。元東京デザイン専門学校講師。株式会社タカショー発行の『エクステリア&ガーデンテキストブック』監修。ガーデンセラピーコーディネーター1級所持。建築・エクステリアの企画事務所「エムデザインファクトリー」を主宰し、大手ハウスメーカーやエクステリア業のセミナー企画、講師を行う。
2007年出版の『エクステリアの色とデザイン(グリーン情報)』の改訂版として、新刊『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』が大好評販売中! 色の知識、住宅デザイン様式に合わせたエクステリア&ガーデンデザインとカラーコーディネート、プレゼンシートのレイアウト案など、多岐に渡る充実の内容! 書籍詳細はグリーン情報ホームページから。
著書
『住宅エクステリアのパース・スケッチ・イラストが上達する本』彰国社
『気持ちをつかむ住宅インテリアパース・スケッチ力でプレゼンに差をつける』彰国社
『住宅+エクステリア&ガーデンの色とデザイン』グリーン情報 など他多数