香水の持続時間を知ると、香りをもっと楽しめる!正しい付け方、使用時のコツ

香水には香りの持続時間が存在します。持続時間は香水の種類によって異なり、時間経過とともに香りはグラデーションのように移り変わっていきます。香水の持続時間や香りの変化の特徴を知ることで、香水をより楽しめるでしょう。本記事では、香水の種類別の持続時間や香りを長持ちさせる付け方、注意点を紹介します。

監修者:メゾンレクシア 調香師

みずみずしい生命力にあふれる植物の“香気”を、肌と心にまっすぐ届ける、メゾン専属の調香師。お客様の暮らしに“香りのアート”を届けることをモットーに、天然ゆえに繊細な香料のわずかなコンディションの違いを読み取り、フレグランスはもとより、スキンケア&メイクアップタイムを優雅なひとときへと昇華させる香りを紡ぎだしている。無類の音楽好きで、現在はウクレレを練習中。

香水の種類別:香りの持続時間

並ぶ香水瓶

香水には4つの種類があり、それぞれ濃度や香りの持続時間が異なります。まずは各種類の特徴と香りの持続時間、適した付け方を紹介します。

パルファム

香水の種類の中で一番濃度が高く、香りの持続時間が長いものがパルファムです。少量でしっかりと香るほど濃厚なため、付ける際には加減が必要です。存在感があるため、パーティやフォーマルな場に向いています。なお、パルファムは日本ではあまり取り扱われていません。

<パルファムの濃度・持続時間・付け方>

濃度:15~25% 香りの持続時間:5〜7時間 付け方:1~2滴を線ではなく点で付ける

オードパルファム

オードパルファムは、パルファムより一般的な香水と言えます。パルファムよりも濃度は低いですが、香りの持続時間は長めなので、何度も付け直す必要はありません。スプレータイプの場合は、肌から10~20センチほど離れたところからプッシュするのがポイントです。

<オードパルファムの濃度・持続時間・付け方>

濃度:10~15% 香りの持続時間:5時間前後 付け方:線で付けて伸ばす

オードトワレ

日本で香水として販売されているものは、ほとんどがオードトワレです。濃度が低いため軽やかに香り、持続時間はやや短めです。香りを長時間纏いたい場合は、持ち歩いて付け直す必要があります。濃度は低いですが、スプレータイプの場合はオードパルファムと同様に、10~20センチ離れたところからプッシュしてください。

<オードトワレの濃度・持続時間・付け方>

濃度:5~10% 香りの持続時間:3~4時間 付け方:オードパルファムと同様に線で付けて伸ばす

オーデコロン

香水の中で最も濃度が低く、優しく香るのがオーデコロンです。香りの移り変わりも少なく、強い香りが苦手な人にも適した種類です。一時的に香りを楽しみたい時にも使いやすいでしょう。

<オーデコロンの濃度・持続時間・付け方>

濃度:3~5% 香りの持続時間:1~2時間 付け方:広い面積に面で付ける

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時間とともに変化する香水の香り

香りの変化を表す図

時間が経過するにつれ、香水の香りは移り変わっていきます。時間経過による香りの変化は「トップノート、ミドルノート、ベースノート」の3段階に分けられますが、最近では3段階に変化せず、TOPからずっと同じ香りの香水も見られるようになりました。ここでは基本となるトップノート、ミドルノート、ベースノートの特徴を紹介していきます。

トップノート

香水を付けてから5~10分後に、最初に感じる香りがトップノートです。トップノートを感じる時間は10~30分程度で、揮発性の高い香料がよく用いられます。特に、シトラスやハーブ系の香りが使われることが多いです。付け始めてすぐに香るので強く感じることもありますが、徐々に落ち着いていきます。

ミドルノート

トップノートから徐々に香りが移り変わり、30分~2時間程度持続するのがミドルノートです。ミドルノートは香水の核となる部分とも言われており、個性を感じやすいのが特徴。香水に含まれている香料が、バランス良く香ってくれます。ミドルノートには、フローラル系の香料が多く用いられる傾向があります。

ベースノート

ベースノートはラストノートとも呼び、香水を付けてから2時間以降、香りが消えるまでの残り香の部分を指します。トップノートとは逆で、揮発性が低い香料を使うのが主流です。付けている人の体温や肌の匂いと混ざり、独自の香りに変化していきます。ベースノートにはムスクやサンダルウッドなど、持続性の高い香料がよく用いられます。