独身者が必要になる老後資金の目安
独身者が老後資金を考えるためには、必要とされる生活費の金額を知っておくことが大切です。
総務省統計局の最新版のデータを参照すると、独身者の1ヶ月あたりの生活費はおよそ14.5万円となっています。
参照:Ⅱ総世帯及び単身世帯の家計収支|家計調査年報(家計収支編)2020年(令和2年)|総務省統計局
65歳になってからの年間の生活費はおよそ174万円、そこから85歳までの20年間を生きるためには約3,473万円が必要です。
また、65歳以降になると公的年金が受け取れるようになりますが、令和2年度における年金の平均受給額は次のとおりとなっています。
参照:令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省
これらの金額を照らし合わせると、独身世帯で老齢基礎年金しか受け取れない場合は、1ヶ月で約8.8万円の赤字となります。
会社勤めで厚生年金が受け取れる人であっても、毎月321円の赤字となり、その後の長い人生を考えると決して無視できない金額といえます。
参照:令和2年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省
つまり、公的年金だけでは充実した老後生活を送ることは難しい時代になってきているということです。
また、高齢で働きづらいことを考慮すると、現役で働いているいまのうちから貯金をしておく必要性は非常に高いといえます。
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独身者が効率良く貯金するためのポイント
独身の人が効率良く貯金をするためには、次の4つのポイントを抑えておく必要があります。
独身者が効率良く貯金するためのポイント
貯金の目的と使う時期を明確にする
毎月のお金の使い方を把握する
大きな固定費は定期的に見直す
「先取り貯金」の仕組みを作る
これらのポイントを知っておくと、今まで上手に貯金が続けられなかった人でも、驚くほど簡単に貯金ができるようになります。
それぞれのポイントについて解説していくので、ぜひ参考にしてください。
貯金の目的と使う時期を明確にする
はじめに、何のために貯金を始めるのかという「目的」と「時期」を明確にするところから始めてみてください。
使う目的が決まれば貯金を続けるモチベーションにつながり、時期を明確にすることでそこから逆算して毎月必要な貯金額がわかります。
たとえば、1年後の自分の誕生日に、1泊2日で日本国内にある五つ星ホテルに滞在する旅行の計画を立てるとしましょう。
そのための予算が12万円と仮定した場合、12ヶ月÷12万円で1ヶ月あたり1万円を貯金する必要があると計算ができます。
ただ漠然と貯金することをゴールにしてしまうと長続きしないですし、毎月の貯金額が具体的になっていないせいで、手元のお金を使い込んでしまう人も多いはず。
独身だと自由にお金を使えてしまうので、将来を見据えて貯金を始めたい人は、貯金の「目的」と「時期」を明確にしてみてください。
毎月のお金の使い方を把握する
貯金を成功させるためには、普段のお金の使い方を把握しておくことも大切です。
お金の使い方を把握するための方法としては「家計簿」をつけるのがおすすめです。
過去に家計簿をつけることに挑戦して挫折した経験がある人も多いかもしれませんが、お金の使い方を把握できれば良いので、そこまで細かく仕分けする必要もありません。
「食費」「交通費」「趣味」など、ざっくりで構いませんので、自分自身が何にお金を使っているかを把握するようにしてみましょう。
家計簿をつけるためには書店や文房具屋で専用ノートを購入するのも良いですし、昨今ではスマホアプリで簡単に家計簿をつけられるようにもなっています。
自分に合ったやり方で、お金の使い方を把握することに努めてみてください。
大きな固定費は定期的に見直す
お金の使い方を把握することと合わせてぜひ挑戦してほしいのが「固定費」の見直しです。
固定費とは、毎月必ず支払いが発生する項目のことで、家賃や公共料金、通信費、保険料などが該当します。
また、これらの費用は基本的に変動することがないので、固定費を一度見直しすれば半永久的に節約効果が持続することが特徴です。
たとえば、毎月のスマホ代が1万円の人が格安SIMに乗り換えると、月々のスマホ代を3,000円以下にまで節約できます。
たったの1ヶ月でおよそ7,000円、年間で84,000円も節約できるようになり、その分を貯金に回すだけで非常に大きな金額になるでしょう。
一方、食費や医療費、交際費などの不確定な支出は「流動費(変動費)」と呼ばれます。
これらの支出はその時々の予定などで金額が変わってしまうので、そこまで大きな節約効果は期待できません。
まずは固定費の見直しからはじめて、その後で節約できそうな流動費を見直すのが理想的な流れといえます。
固定費や流動費の見直し方法については、以下の記事で詳しく解説しているので合わせてご覧ください。
みんながやっている節約術24選!まずは固定費の見直しから始めよう
「先取り貯金」の仕組みを作る
貯金を成功させるためには「先取り貯金」の仕組みを作ることも重要です。
先取り貯金とは、収入が入ったらまず真っ先に必要な金額を貯金へと回し、残った分のお金で日々の生活をやりくりするという方法です。
先取り貯金をする際は、自分で貯金用の口座にお金を移動させるのも良いですが、自然とお金が引き出されるような仕組みを採用するのがおすすめです。
たとえば、毎月の保険料が積み立てられていく「貯蓄型保険」や、指定した口座から自動引き落としで貯蓄ができる「つみたてNISA」や「iDeCo」を利用するのが良いでしょう。
手間を掛けずに自然とお金が貯まる仕組みを作ることが貯金を成功させるための最大のポイントなので、ぜひこれらを意識して挑戦してみてください。