補助人とは?被補助人とは?補助人・被補助人についてわかりやすく解説!

認知症や知的障がいなどにより判断能力が不完全な人が、不利益を受難しないように、代行者が財産や権利を守る「成年後見制度」があることは知っていますか。この記事では「補助人」と、その補助人に財産管理を行ってもらう「被補助人」において、詳細に解釈します。成年後見制度の利用を考慮している人は、参考にしてみてください。

被補助人が補助人からの保護を必要とする場合

判断力が不完全な高齢者を狙った悪質な犯罪が、後を絶ちません。また、正当な取引においても、十分な判断能力を持ち合わせず、トラブルが発生する事例もあるため、補助人による保護が必要な場合があるでしょう。

ただし、日常生活においては問題がなく、被後見人や被保佐人ほど判断能力が衰えていない人や、一般人と比べてやや不完全な人(法律上は「事理弁識能力が不十分な者」とされています。)を被補助人として定義しています。では、どのような場面で、被保佐人の保護が求められるのでしょうか。

適切にお金を使うことができない

商品の無料配布や格安販売などで注目を集める販売員に出くわしたら、要注意です。冷静な判断ができなくなると、販売員の巧妙なトークや誘惑に惑わされ、高額な商品を購入してしまう可能性を否めません。

金銭の貸借や高額な商品の勧誘に不安感のある人は、補助人の保護があると安心でしょう。

将来的に資産の管理を任せたい

今は問題なくとも、将来的に判断能力が鈍くなったときのために適切な財産管理をしたいと思う方は多いでしょう。被保佐人ほど緊急性はなくても、最近物忘れが増えてきたと感じるなど心配な人は、現状では補助人による保護が適しています。

家族による使い込みのおそれがある

将来の老人施設入所のために、コツコツと蓄えた財産を家族や親族が勝手に使ってしまうかもしれないという懸念がある際にも、補助人に財産管理を任せることがよいでしょう。補助人は、権限が限定的であるため、本人の意思を尊重した上で、適切かつ公正に管理してもらうことができます。

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補助人が被補助人の保護を開始する流れ

どのようなタイミングで補助人が必要になり、どのような要件で補助人に任命され、どのようにして補助人による保護が開始されるのでしょうか。

補助人が必要だと判断するタイミング

重要な契約や高額の取引の際には、冷静な判断力が欠かせません。判断能力に自信がない場合、補助人による適切なサポートが求められます。サポートを要するタイミングとして、

・金銭の貸借、保証人になる行為
・不動産の売買、賃貸借
・訴訟の提起
・財産の贈与
・遺産の分割、相続の承認・放棄
・建物の新築や大規模な改築
・長期の賃貸借

などが挙げられます。特に、民法13条1項で定められた上記のような重要な場面において、補助人が本人の財産を守るためにサポートします。

補助人になるための要件

補助人は、希望する人が自由になれるわけではありません。補助人として本人の保護を開始するためには、家庭裁判所に補助人の選任を申立てる申立人が補助人の候補者を選びます。

通常、親族の中から誠実で信頼できる人に依頼することが多いでしょう。また、親族以外の知人や法律専門家への依頼も認められています。しかし、家庭裁判所の審判により、申立てをした候補者ではなく、第三者の弁護士や司法書士が任命される場合もあります。

補助人は、本人の財産管理を適切に進め、家庭裁判所から請求があった場合には、財産管理の事務記録となる帳簿や資料を提出しなければなりません。つまり、補助人となるためには、本人に不利益が生じないように、本人の意思を尊重した財産管理ができることと、適切な事務処理能力が求められます。

補助人に保護してもらうために必要なもの

補助人による保護を求める際には、まず補助人の候補者を挙げて、家庭裁判所に選任してもらう手続きを進めます。補助開始等申立書に必要事項を記入して、本人の居住地の家庭裁判所に提出しましょう。申立書に添付する書類は、以下の通りです。

・本人の戸籍謄本(全部事項証明書)
・本人と補助人候補者の住民票または戸籍附票
・本人の診断書
・後見制度用の本人情報シートの写し
・本人の健康状態に関する資料
・本人の成年被後見人等の登記がないことの証明書
・本人が保有する財産の資料
・本人の収支における資料
・同意権・代理権を要する行為における資料
・親族関係図、候補者の身上書等家庭裁判所から求められる書類

他に費用として、申立て手数料と登記手数料となる収入印紙、郵便切手なども用意します。

家庭裁判所が申立書に基づき、実態を調査して補助人が選任されたら、家庭裁判所から通知が届きます。その後、東京法務局に審判内容が登記され、補助人による保護が開始されるのです。