まだ間に合う。出掛けて、見て、食べて、飲む「発酵ツーリズムにっぽん/ほくりく」はやっぱり見逃せない

お目当てはどこにする?サテライト会場と関連施設

発酵ツーリズムのコンセプトは「観光連動型展覧会」。ただ展示を見るだけではない仕組みがたくさんあるので、時間の許す限り興味関心が向く方へ、足を伸ばしてみましょう。

サテライト会場では、若狭地方における発酵食品や、ヒラクさん監修のメニューを味わえるSEE SEA PARKや、富山県の発酵食品の物販が充実したD&DEPARTMENT TOYAMA、さらに石川県のホホホ座金沢では、金沢大野の発酵食品を巡る「発酵マップ」の紹介など、福井のメイン会場で感じた余韻をそのまま抱えて巡ることができます。

またヒラクさんが旅した北陸三県の醸造蔵や温泉宿など、合計44箇所を一覧できるマップも用意されています。4タイプのコース紹介も含まれているので、スタンプラリーをしながらヒラクさんの旅を後追いしてみてはいかがでしょうか。

会場配布のほか、公式ウェブサイトからPDFもダウンロードできるガイドマップ

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福井を満喫した編集部メンバーの訪問先はこちら

これだけ充実した関連施設があるとなれば、限られた時間で「少しでもメイン会場以外にも回りたい」という気持ちが芽生えてきます。日帰りの編集部メンバーが巡った、超集中型の訪問先をご紹介しましょう。

まずは旅のはじまりとして、メイン会場「金津創作の森」で思う存分じっくりと展示を堪能しました。ここでオススメしたいのは、北陸という土地をイメージすること。海や山などの地形を想像しながら解説を読んでいると、どこかで点と点がつながるような楽しさが込み上げてきます。それはきっと、先人たちが少しずつ工夫を重ねながら、大切な食べ物をより良いかたちで取り入れてきた軌跡を追体験してるからなのかもしれません。

曹洞宗の大本山・永平寺がある福井では一般家庭にも精進料理のエッセンスが広まっていたことがわかるなど、想像する楽しさを体感できるのが発酵ツーリズムならでは
相乗りさせてくださったインバウンドツアーの皆さんは、どこへ行っても真剣そのもの!ヒラクさんも終始丁寧に質問に答えていました

会場を出たら、2022年にオープンしたばかりの永平寺町「ESHITOKO」へ。一級河川である九頭龍川の水質を活かして、200年以上も酒蔵を守り続けてきた現在の黒龍酒造による新スポットです。おじゃましたのは、川と並行する流れるような造りのカフェレストラン「acoya」とパティスリー。敷地内の電線が地中埋没されたことで雄大な景色と一体化した美しい店内にて、黒龍をはじめとした日本酒のテイスティングも楽しめます。お気に入りを決めたら隣接のショップで購入も可能。

左から黒龍大吟醸、出荷せずここでしか飲めないというESHITOKO永、そしてシャンパンのように熟成して作るAWA Limited。この日は特別にスパークリングの貯蔵庫「臥龍棟(がりゅうとう)」も見学させていただき一同感激!

続いて福井駅周辺に移動し、日本酒の次はお味噌です。天保2年創業の味噌蔵・米五さんへ。曹洞宗の開祖である道元禅師は「典座教訓」という精進料理の基礎を確立し、それまで食の優先順位が低かった禅道に改革を起こした人物として知られています。その永平寺のお味噌を作り、修行僧たちの食を支えているのが米五さんの味噌。蔵見学では麹をみるところから始まり、熟成方法の違いによる味の違いなど充実の見学内容でした。

蔵見学の後は、味噌を中心としたショップとレストラン「みそ楽」でたっぷりお買い物も満喫

最後に訪れたのは、同じく福井駅のそばにある400年の歴史を誇る酒蔵、常山酒造。辛口で円熟味もある日本酒・常山は、新鮮な魚とお米が豊かな福井の食事に合わせて発展したことを想像させるボディ感。黒龍と同じく福井を代表する日本酒です。併設ショップでのお買い物もお忘れなく。

地域に愛され、文化として確立した日本酒、常山