約50年前の日本人の平熱は36.9度。現代人は36度前後しかなく、昔に比べて体温が低くなっています。低体温の主な原因として考えられるのが運動不足で筋肉量が減ったことと食の変化。実は現代の食事は栄養過多で、食べ過ぎが冷えの原因になっていると医師の石原新菜先生は話します。冷え改善につながる食べ方を教えてもらいました。

教えてくれたのは…
監修/石原 新菜 先生(イシハラクリニック副院長)
日本内科学会会員。日本東洋医学学会会員。漢方医学、自然療法、食事療法により種々の病気の治療にあたる。クリニックでの診療のかたわら、テレビ出演や執筆活動、講演なども行う。『病気にならない 蒸しショウガ健康法』(アスコム)、『血圧・血糖値を下げる!やせる! 煮あずきパワー』(宝島社)など著書多数。

食べ過ぎが冷えを招く理由

血液がドロドロになり血行悪くなる

現代人の食べ物は高たんぱく、高脂質、高カロリーの傾向にあります。1日3食おなかいっぱい食べると栄養過多になり、代謝しきれなかった老廃物がたまって血液がドロドロになることも。血液には体を温める作用があるため、血行不良になると体は冷えてしまいます。

血液が胃腸に集中して全身に行き届かなくなる

食べ物を消化吸収するのは体にとって大変な作業。食べ過ぎると胃腸に血液が集中し、末端の毛細血管まで血液が巡らなくなります。血流が行き渡らなくなると、血管が衰えて血液が流れないゴースト血管が発生。冷えの原因になります。

余分な水分が溜まって冷えを生む悪循環に

食べ過ぎで血流が悪く代謝が低い状態で水分をとり過ぎると、体に余分な水分が滞留。水には体を冷やす作用があるので、さらに冷えてしまい悪循環に。

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そもそも体が冷えるとなぜいけないの?



体が冷えると血管が収縮して血行が悪くなります。すると細胞に栄養が行き届かなくなったり、内臓の働きが低下して痛み、凝り、便秘といったさまざまな不調の原因に。また体温が1度下がると免疫力は約30%、基礎代謝は約12%低下します。

次章では体を冷やさない食べ方を紹介します。