40代以降の夫婦にありがちなレス問題。さらに妻に閉経が訪れれば、2人の関係が変わることもあるでしょう。今回は、夫は望んでいるけれど妻は望んでないという夫婦のお悩みに対して、産婦人科医の駒形依子先生にアドバイスしていただきました。

教えてくれたのは…
監修/駒形依子先生(こまがた医院院長)
東京女子医科大学医学部卒業。米沢市立病院入職後、再び東京女子医科大学に戻り、専門医を取得。同大学産婦人科に入局し産婦人科医として働きつつ、性科学を学び、また東京女子医科大学東洋医学研究所で東洋医学を学ぶ。2019年1月に地元山形県米沢市にて、こまがた医院を開業。

同じセックスレスでも原因はさまざま

駒形先生のもとには、さまざまな悩みを持つ女性がやってきます。そこで感じることの1つに、「男と女からパパとママの関係になるとき、なんらかの問題があるとセックスレスになる可能性がある」と言います。

「お子さんがいない女性の中には、年齢とともに濡れにくくなって性交痛がつらくてセックスレスになっている、どうすればいいですかという方が多くいらっしゃいます。でも、それはセックスをもっと楽しみたい、夫とコミュニケーションを取るために相談されているのです。

一方でお子さんがいる女性の場合、家族ができると、ずっと家族でいなくては、ずっと母でいなくては、妻でいなくては、という意識が生まれてセックスレスの原因の1つになることがあります」(駒形先生)

そんな「したくない」女性の気持ちに加え、「したい」側の男性にも実は原因があると駒形先生は言います。

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産後1年間くらいの夫の発言や行動が引き金に



“閉経後は特に家事や育児、仕事で疲れて体力がなく、誘われても断ってしまう”

“閉経後はさらに太ってしまい、体形に自信がなく誘われても断ってしまう”

“年齢とともに濡れなくなり、「痛い」と伝えてからレスになってしまった”

これらは閉経期の女性によくあるお悩みの声の一部。でも、駒形先生はこれらすべて「セックスを断るための言い訳」と言います。

「多くのママの声を聞いていると、産後1年間くらいの夫の発言や行動で、妻が萎えるというパターンはとても多いです。例えば陣痛でしんどかったのに隣で寝ていたとか、産後も自分のライフスタイルを変えてくれず非協力的だったとか。一番しんどいときに寄り添ってもらえなかったという恨みが夫婦の溝になっている可能性があります」(駒形先生)