繰り上げ返済のタイミングは早い方がお得?


選択に悩む人
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繰り上げ返済を行う上での注意点について触れましたが、それらを意識しながら、いざ繰り上げ返済を行う場合、どのタイミングで行うのが良いでしょうか?

住宅ローンの仕組み上、繰り上げ返済は「早ければ早い方が良い」です。金利はローン残高に対してかかるため、ローン残高が多い場合に繰り上げ返済を行った方が金利の負担軽減効果は大きくなります。

例えば、先の例は1年後に100万円繰り上げ返済を行った効果を紹介しましたが、もし1年後ではなく10年後に100万円を繰り上げ返済すると利息軽減効果は以下のようになります。

<利息軽減額>

「返済期間短縮型」、「返済額軽減型」どちらも10年後に繰り上げ返済を行うより、ローンを組んで1年後に行う方が利息軽減効果が大きいことが分かります。

ただし、多くの方が住宅ローンを組む際に頭金や諸費用を支払っています。その他、新たな生活を送る中で何かと出費がかさみ、住宅取得後しばらくは金融資産が少なくなっている場合も多いのではないでしょうか。

先に触れた注意点と重なりますが、利息軽減効果が大きいからと、繰り上げ返済にこだわらないでください。コツコツ資産を貯めながら、余裕がある際は早めに繰り上げ返済を行っていく。例えば「毎月3万円は必ず貯金。残業代などで余裕がある場合は繰り上げ返済に回す」といった各家庭に応じたルールを作るのが良いかもしれません。

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1つの節目は住宅ローン減税終了後

繰り上げ返済を行う最も良いタイミングの1つは「住宅ローン減税」が終わってからです。住宅ローン減税はローンを組んだ年によって控除率や期間等が異なりますが、現在は、控除期間を10年から13年へ延長する措置が継続しており、ローン残高の1%が13年間にわたり税額控除されます。なお、2022年より控除率が0.7%に引き下げられました。

例えば年末時点で2000万円の残高があれば所得税・住民税の負担が20万円も減るのです。非常に大きな減税効果であるため、住宅ローン減税期間中はお金を貯めることを優先して、ローン減税が終了した後に繰り上げ返済を行っていくというのも賢明なプランとなります。