『Mr.CHEESECAKE』田村シェフの推薦

『Mont St. Clair(モンサンクレール)』(自由が丘)

~誰もが知る名店。お菓子が好きな人たちのニーズを掴んだ発信力で新たな顧客の心をつかむ~

1998年3月20日にオープンして以来、お菓子好きなら誰もが知るパティスリー『Mont St. Clair(モンサンクレール)』。自由が丘を“スイーツの街”としてイメージ付けたお店と言っても過言ではありません。

フランス語で“これが人生”と名付けられたケーキ「セラヴィ」を含め、当時からスイーツ界に旋風を巻き起こし続けている辻口シェフがオーナーシェフをつとめます。お菓子や素材と本気で向き合うだけではなく、技術の継承や、働き方など。社会の風を先読みし、いち早く行動へと移します。職人の枠を超えた活躍で、不可能を可能にし続ける姿勢は、今一度注目したいところ。

田村シェフが名前を挙げた理由とは?

約25年続いていまだに長蛇の列ができる人気ぶりには流石としか言いようがない。近年では、コロナ禍を受けてクオリティの高い冷凍ケーキに注力するなど、世の中のニーズをいち早く察知するところに驚きました。またSNSの運用など、その時代に合わせた適格な発信方法など、僕自身、一経営者として勉強する面が沢山ある。

『Mont St. Clair(モンサンクレール)』(自由が丘)の辻口博啓シェフのインタビュー記事はこちら

『Equal(イコール)』(幡ヶ谷)の後藤裕一シェフ

~店舗を超えた活躍で町や会社とコラボレーション。“パティシエ”の新たな仕事を生みだす~

2019年オープンした『Equal(イコール)』は、幡ヶ谷の西原商店街の中にある、いま注目の人気店。特にチーズケーキやシュークリームといった素朴なお菓子が人気で、商店街の人はもちろん、全国からお菓子好きが集まります。

オーナーシェフは後藤裕一氏。フランスの名店でアジア人初のシェフパティシエを務めたり、東京の有名レストランで活躍したりと、“食事とスイーツ”という繋がりを得意としています。また、自ら社会のニーズを探し出し、新たな市場を生み出す姿勢も、今までの菓子職人と一線を置かれる理由。『ブルーボトルコーヒー』や『DEAN & DELUCA』といった企業との関りは、パティシエという職業へのイメージを向上させる活躍ぶりです。

田村シェフが名前を挙げた理由とは?

後藤シェフのチーズケーキはピカイチの美味しさ。極上の滑らかさと奥深い味わい、そしてシンプルさ。そして自らが職人であることを最大限に活かして、企業とのコンサルティングにも取り組む姿にも注目。パティシエの新たな可能性を引き出してくださいました。次はどんな仕事ぶりで僕らを魅了するのか、楽しみで仕方ないです。

『Equal(イコール)』(幡ヶ谷)の後藤裕一シェフのインタビュー記事はコチラ

『Ryoura(リョウラ)』(用賀)の菅又亮輔シェフ

~自らの個性をそのままお菓子に映し出す。職人魂が、心を掴むお菓子を作る~

2015年にオープンして以来、色鮮やかで個性的なプチ・ガトーが並ぶパティスリー『Ryoura(リョウラ)』。オーナーシェフを勤める菅又亮輔氏は、実力と創造性を持ち合わせた日本きってのパティシエの一人。フランス北部にあるノルマンディや、スイスとドイツの国境沿いに位置するアルザス地方など、フランス各地で修業。帰国後は「ピエール・エルメ・サロン・ド・テ」でスーシェフに抜擢されました。

いつも屈託のない笑顔の菅又シェフ然り『Ryoura(リョウラ)』のお菓子もまた、とってもチャーミング。その背景には素材選びや組み合わせはもちろん、作る工程における状態管理に妥協を許さない職人魂があります。そうして出来たケーキは、素材本来の色や食べた時の食感に感動を覚えるほどです。

『Ryoura(リョウラ)』(用賀)の菅又亮輔シェフのインタビュー記事はコチラ

田村シェフが名前を挙げた理由とは?

『Ryoura(リョウラ)』は、そうだと知らずとも見た目と味で誰のお菓子なのか分かります。それくらい素晴らしい個性をもっている。特に菅又シェフのスペシャリテ「レブリー」は香りも含めて凄く好き。食べていて奥行きと余韻を感じるのは、ベリーにバラの香りを加えているからでしょうか。こうしたシンプルながら繊細な印象を与えるケーキの数々。研究に余念のない菅又シェフは、本当に美味しいお菓子を作られる方だと思います。近年はTV出演や、コンビニエンスストアでのコラボレーションスイーツの開発など。活躍の幅を広げていらっしゃる印象です。

いかがでしたか?
全く異なる視点で推薦された7人のシェフとブランド。ここにあえて共通点を見出そうとするならば、“各自がパティシエという枠にとらわれないアイディアと独自性を持っている”ところではないでしょうか。

モノが溢れる現代で求められているのは、いかに魅力的に伝えるかといった発信力。そして、一時的な流行に終わるのではなく、未来を見据えた基盤づくり。お菓子が本当に好きだからこそ、その未来と作り手のことを考える彼らの姿勢は、着実に時代を進化させているようです。

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スイーツ界で一線を画す4名のシェフ プロフィール

昆布智成シェフ
お店:『UN GRAIN(アングラン)』(南青山)
プロフィール:老舗『オーボンヴュータン』(尾山台)、『ピエール・エルメ サロン・ド・テ』で学び渡仏。フランスのMOF取得パティスリー「リエデレ」や、2つ星レストラン『ラトリエ ・ド・ジョエル・ロブション』にてさらに、経験を積む。現在『UN GRAIN(アングラン)』シェフパティシエを担当。今年、地元福井県で『昆布屋孫兵衛』を後継する予定。

森郁磨シェフ
お店:『L’atelier à ma façon(ラトリエ ア マ ファソン)』(上野毛)
プロフィール:辻調理師専門学校卒業後、『ホテルニューオータニ東京』に8年勤務。その後『Café 中野屋』開店。2019年に『Café 中野屋』を閉店し、現在の『L’atelier à ma façon(ラトリエ ア マ ファソン)』を上野毛にオープン。製菓界では特に、パフェなどのグラスデザートで評価されている。

上野 啓介シェフ
肩書き:フリー・パティシエ
プロフィール:「パティスリー・ドゥ・シェフ フジウ」勤務後、渡仏。2年間の修業を終え、日本に帰国後は「パークハイアット東京」や『中沢乳業株式会社』に勤務。
現在は、お菓子のコンサルティングを専門とする『上野菓子研究所』代表。酪農家と製造者を繋げる活動を行っている。

田村 浩二シェフ
ブランド:『Mr.CHEESECAKE』
プロフィール: ミシュラン2つ星『Edition Koji Shimomura』(六本木)の立ち上げに携わるなど、いくつかの店舗を経験し渡仏。3つ星レストラン、 1つ星レストランで修業を重ねる。帰国後は世界最短でミシュランの星を獲得した『TIRPSE(ティルプス)』のシェフに就任。現在は、2019年にスタートしSNSを中心に話題沸騰した『Mr. CHEESECAKE』の代表。

園果わたげ

ウフ。編集スタッフ

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ufu.の新米編集者。メンズカルチャー誌でアシスタントを経験後ufu.に転身。 特技は甘いものを食べ続けること。最近は美術館内レストランの限定コラボスイーツにハマっている。