寝る前に行うと良質の睡眠が得られる

ストレッチのやり方は、呼吸法も含め、下項で図解してあるので、活用してください。

ストレッチは、深い呼吸をしながら行うと効果的です。できれば、「逆腹式呼吸」がお勧めです。緊張と弛緩をくり返すことで、内臓をマッサージできる呼吸法です。

朝、目覚めたら寝床の中で「全身伸ばし」を行いましょう。

睡眠中はあまり動かないので、体が固まっています。朝起きたときに、腰やひざにこわばりを感じる人が多いのは、そのためです。目覚めたら、まずは「全身伸ばし」で体を活動モードに切り替えましょう。体中の関節を全て伸ばし切るつもりで行います。

夜は、寝る前に「ひざ裏伸ばし」を行いましょう。

日中、私たちは重力の影響を受けながら、立ったり座ったり歩いたりします。ですから、夜には筋肉がこわばったり、骨格がゆがんだりしていることが多いものです。特にひざの裏は、筋肉がかたく収縮しがちなので、一日の終わりにリセットする必要があります。

寝る前にひざの裏をじっくり伸ばすことで、体のゆがみが正されると共に、血流がよくなり、呼吸も深くなるので、良質の睡眠が得られます。

「足指伸ばし」もお勧めです。足の指をストレッチすることで、ひざ裏も伸びますし、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)の強化にもなります。

また、足の指を伸ばすと、「第二の心臓」といわれるふくらはぎの筋肉も刺激され、全身の血流がよくなります。寝る前に行うと熟睡できるでしょう。

さらに、睡眠中にこむら返り(ふくらはぎをつること)が起こったときに、この足指伸ばしをすると治まります。覚えておきましょう。

「足指伸ばし」は、朝に行うのもお勧めです。足の指は、歩くときに地面をけったり、バランスを取ったりする役割を持つ重要な部位です。朝、足指をストレッチしておくと、つまずきやふらつきの予防になります。

いずれのストレッチも、「気持ちいい」くらいを目安にして、少しずつ伸ばしていきましょう。痛みを我慢して行っても、効果は期待できません。無理は禁物です。

炎症や痛みのある人は、必ず医師に相談してから行ってください。

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寝たままストレッチのやり方

逆腹式呼吸

・一般的な腹式呼吸とは逆の呼吸法。
・鼻から思いきり息を吸うと同時におなかをへこませる。
・鼻から息を吐くときに、おなかを膨らませる。

全身伸ばし

・あおむけになり、息を吸いながら腕を頭の上に伸ばし、左右の手の甲を合わせる。
・つま先を顔の方に向けて足首を反らす。ひざ裏がグーッと伸びる。
・自然な呼吸で5秒キープ。
・息を吐きながら、ゆっくり腕を下ろし、全身の力を抜く。

ひざ裏伸ばし

・あおむけになり、片方の足の裏にタオルをかけて両端を手で持つ。

・タオルを手で引っぱり、息を吸いながら足を上げていく。無理のない範囲でひざ裏を伸ばす(曲がっていてもよい)。

・上げ切ったところで自然に呼吸しながら5秒キープ。息を吐きながらゆっくり足を下ろす。反対の足も同様に行う。

足指伸ばし

・あおむけになり、右足のかかとを左足の指にのせる。かかとの重みで、足の指を甲側にグーッと反らして5秒キープ。

・右足のかかとを左足の母趾(足の親指)と第二趾(足の人差し指)の間に入れ、指を開くようにグーッと押して5秒静止。

・反対の足も、①と②を同様に行う。

この記事は『壮快』2022年11月号に掲載されています。

画像参照:https://www.makino-g.jp/book/b612666.html