「鑑みる(かんがみる)」と「踏まえて」の違いとは?
「鑑みる」は、「踏まえて」と同じような意味合いの言葉です。
「鑑みる」はよく「鑑みて」としても使われ、「鑑みて」も「踏まえて」も何かを決めるために判断を慎重に行っている情景がイメージできるような言葉です。
しかし、両者にははっきりした違いがあります。
「鑑みて」の意味は「過去の事例やデータなどと照合して考える、引き合いに出して考える」ということですが、「踏まえて」の意味は「ある事実や経験を判断基準として使った上で物事を決めること」です。
そのため、「鑑みる」と「踏まえて」の違いは、「鑑みる」は過去の事例と照合して考えているときだけに使えるということです。
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「踏まえて」の正しい使い方とは?
ここでは、「踏まえて」の正しい使い方についてご紹介します。
目上の方に対しては敬語表現の「お踏まえいただき」を使う
「配慮してください」を意味する「踏まえて」は、上長や取引先の人などの目上の方に対して使うと失礼と考えられることがあります。
例えば、丁寧さが「注意することを踏まえて判断してください」という文章は足りなく、上から目線の表現であると人によっては考えられます。
目上の方に対して使うときは、「踏まえて」を使わないで、「注意することをご確認いただいた上で、判断してください」などという方がいいでしょう。
「踏まえて」をどうしても使いたいときは、敬語表現の「お踏まえいただき」を使いましょう。
自分の行動に対して使うときは問題ない
先にご紹介したように、「踏まえて」は目上の方に対して使うと失礼と考えられることがありますが、自分の行動に対して使うときは問題ありません。
例えば、目上の方に対して、「留学した体験を踏まえて、コミュニケーションを国籍に関係なく取ることができます。」という文章であれば、自分の体験に対して「踏まえて」を使っているため、不快と相手が思うことはないでしょう。
「踏まえた上で」
「踏まえて」を使った言い回しとしては、「踏まえた上で」があります。
「~の上で」の意味は、「~の結果」や「~の後に」ということです。
例えば、「指摘されたことを踏まえた上で決めたことです」という文章であれば、「踏まえた上で」の意味は「踏まえた結果」ということであるため、意味が「指摘されたことを踏まえた結果で決めたことです」ということになります。
「踏まえつつ」
「踏まえて」を使った言い回しの「踏まえつつ」の意味は、「踏まえながら」ということです。
例えば、「シフトは個人の事情を踏まえつつ作る」という文章の意味は、「シフトは個人の事情を考えながら作る」ということになります。
この例文のように、「○○をしながら一緒に○○をする」というときは、「つつ」をプラスした「踏まえつつ」が使えます。