近年、全国的に天候の悪化に見舞われる機会が増えてきました。
特に冬は、積雪量の多い地域以外で雪が降ることがあり、雪の影響により交通網の混乱を招くこともあります。
そこで気になるのが、賃貸物件においての駐車場の雪かきです。
少量の雪であれば問題ないと感じるかもしれませんが、天気は先が読みにくいだけでなく、積雪量の少ない地域で大雪になる可能性もあるでしょう。
これらの状況によって、積雪によって駐車できない、駐車場に入れないといった問題が起こるかもしれません。
この記事では、賃貸物件における駐車場の雪かきや起こりやすいトラブル、雪かきのポイントについて解説します。
駐車場の雪かきで悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

駐車場の雪かきは誰が行うべき?

近年、各地で記録的な大雪を記録することが増えました。
これにより、交通網の混乱や立往生、ケガや事故などが起こりやすい状態になります。
雪が降った場合、自宅であれば敷地内の必要な部分の雪かきをしなければなりませんが、賃貸物件の場合は誰がどこまで雪かきしなければならないのか、疑問に感じる部分もあるでしょう。
ここでは、賃貸物件における駐車場の雪かきについて説明します。

基本は入居者が行う

積雪量の多い地域では、冬になると雪が降るので雪かきが欠かせません。
雪が降る地域に住んでいるのが長ければ、毎年恒例の出来事でしょう。
しかし、積雪量の多い地域に慣れていない方、賃貸物件に住んでいる方は雪かきの必要性やどこまでするべきか迷うこともあります。
また、雪かきの必要性がわかりにくく、トラブルに発展することもあるでしょう。
そこで知っておきたいのは、善管注意義務というものです。
善管注意義務は、賃借人が部屋を管理する者として最善を尽くさなければならないという意味があります。
例えば、部屋が汚れていたら掃除する、電球が切れたら交換するなど、日常生活を送る中で最小限必要な修繕は入居者が行うべきということです。
善管注意義務を怠り、設備が故障したり不具合が生じたりした場合は、入居者に対して支払い義務が生じる可能性もあります。
お風呂掃除を怠った結果、通常の範囲内で発生しないカビや著しく汚れている、雨が降っているのに窓開けたままで壁紙が剥がれたなども責任義務違反になるケースがあります。
もちろん、雪かきにおいても同じ考えです。
雪かきに関して特別な規定を設けていない場合は、基本的に入居者が行う必要があるでしょう。

大家さんに雪かきをする義務はない

雪かきを入居者に任せるなんて、管理会社の意味がないと思うかもしれません。
しかし、大家さんや管理会社は雪かきなどの作業義務が生じていないのです。
もし、雪かきしなければならないとすれば、管理費や共益費の対象となる共有部分になります。
ただし、管理費や共益費の中に除雪費が含まれていなければ行う必要はありません。
基本的に、管理費や共益費は日常生活を送る中で必要な範囲の管理や維持に使用されます。
限られた期間しかない除雪は、これらの範囲から除外されることがほとんどです。
そのため、一般的には契約書などに雪かきの有無について記載されていることはないでしょう。
豪雪地帯や積雪量の多い地域では雪に対しての不安が大きく、管理会社に相談したいと思うかもしれません。
それでも基本となるものは管理業務の範囲かどうかになってしまうので、事前に確認しておくと安心でしょう。
中には、雪かきの義務がなくても個人では対処できない積雪量となった場合に、大家さんが管理会社を通じて除雪を依頼することもあります。
自宅の敷地内に賃貸物件を持っている大家さんは、好意で消雪パイプから水を出してくれるケースもありますが、あくまで一部の大家さんです。
すべての賃貸物件で、このような対応をしているわけではありません。

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雪かきで問題になりやすい「捨て場所」について

雪かきは誰がするのかという疑問の次に気になるのが雪を捨てる場所です。
雪は暖かくなれば溶けますが、そう簡単に溶けないものです。
特に賃貸物件の駐車場は他の入居者も使用するため、雪を捨てる場所に気を付けなければなりません。
どのような場所に雪を捨てても良いのでしょうか?

雪を捨ててはいけない場所

実は、雪を捨ててはいけない場所があることを知っていますか?
雪は道路、下水道、川などに捨てることができません。
雪を道路に捨てたことがきっかけで交通障害が起こる可能性があり、支障をきたすとして法律で禁止されています。
違反者には1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられます。
道路と同じように、下水道や川にも雪を捨てることができません。
下水道や川なら交通の妨げにならないだけでなく、水で溶けて問題ないと解釈している人も多くいます。
下水道に捨てれば5年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、川に捨てれば6ヶ月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金が科せられる可能性があるので捨てないようにしましょう。

雪を捨てていい場所

雪を捨てていい場所には、いくつかの決まりがありました。
では、どこなら雪を捨てられるのかと思うでしょう。
雪は、駐車場の自分のスペースの後方、また他の車の迷惑にならず通行の妨げにならない場所を選んで捨てましょう。
駐車場の後方が開いている場合、雪かきした雪を積んでおきます。
この時、車のマフラーが隠れないように気を付けましょう。
他にも、使っていない駐車スペースや出入り口の脇の部分に積むようにしてください。
他の日との駐車スペースと近くなってしまう場合は、一言声をかけておくと良いでしょう。
車に傷をつけないように雪かきをしてください。