いままでのコーヒーと何が違う?ニューヨーカーが1時間以上並ぶサードウェーブコーヒーの凄さとは


「Blue Bottle Coffee」(Broklyn)1号店

編集部:菅付さんはアメリカで本場のサードウェーブコーヒーの渦中を体験されたんですよね。どのような印象を覚えましたか。

菅付氏:前述した『ベアポンド・エスプレッソ』の本を僕が編集・出版すると決まったとき、田中さんからメモを渡されて。“本を書く前に行ってきてください”と、メモにはコーヒーショップがリストアップされていました。

僕がそのメモに載ってあるアメリカのコーヒーショップを訪れたのは2011年で、その時は約20件を回りました。人気の店は40分~1時間待ちという凄い行列。NYの人が美味しいコーヒーだけのために、こんなにも並ぶんだと感動しましたね。

編集部:その4年後の2015年に『ブルーボトルコーヒー』が日本に初めて上陸。味もそうですが、スタイリッシュな空間は特にユース世代から注目を浴びました。

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『ブルーボトルコーヒー』の誕生は日本がきっかけだった!純喫茶文化がサードウェーブコーヒーに与えた影響


アメリカのコーヒーロースターの様子。建物内はガレージのようになっていてコーヒー豆を運ぶトラックが入る

菅付氏:『ブルーボトルコーヒー』の創業者はジェームズ・フリーマンですが、彼は元々ジャズミュージシャンだったって知っていました?

編集部:そうなんですか!?全然知りませんでした。

菅付氏:しかも、彼がコーヒーの世界に転身したきっかけは日本のコーヒー文化に影響されたから。南千住の『カフェバッハ』や渋谷の『茶亭 羽當』で“日本のコーヒーは丁寧で美味しい”って開眼して帰国後、すぐにコーヒー屋を始めたわけです。だから、『ブルーボトルコーヒー』はエスプレッソとハンドドリップに凄く力を入れるようになったんです。

編集部:日本のコーヒー文化と海外のものでは違いがありますか。

菅付氏:日本の純喫茶文化は独特で、素晴らしいと思う。丁寧に淹れてリラックスする空間を与えるというのは、日本の茶の湯文化に通ずるものがありますね。

サードウェーブコーヒーもまた、豆にこだわり、淹れ方にこだわった結果、起きたムーブメント。どちらにも根底にあるのは“コーヒーを丁寧に楽しむ”という考え方です。